イタリア男子バレーボールリーグセリエA第3節、髙橋藍所属のパドヴァは現地時間10月16日にアウェイでチステルナと対戦し3-1(25-19, 31-33, 25-20, 25-15)で敗れ、開幕からの連勝が2でストップとなりました。
髙橋はこの試合もスタートから起用されましたが、スパイクで苦しみうまく得点を挙げることができませんでした。
第1セットのスタメン
パドヴァ
OH:髙橋、アスパルホフ(ブルガリア)
MB:カネッラ、クロサート
OP:ペトコヴィッチ(セルビア)
S:サイッタ
L:ツェンガー(ドイツ)
チステルナ
OH:セドラチェク(クロアチア)、バイラム(トルコ)
MB:ジンゲル(オーストリア)、ロッシ
OP:ジルリッチ(クロアチア)
S:バラノヴィッチ
L:カターニャ
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試合レポート
第1セット、チステルナが序盤からOHバイラムのエースやセドラチェクのスパイクなどでブレイクを重ねて9-5と点差を広げます。
逆にパドヴァはOPペトコヴィッチ以外のスパイクがなかなか1本で決まらず、チステルナのブロックとレシーブがそれを上回る場面が多く見受けられました。
そのことは髙橋にも当てはまり、なかなかスパイクが決まらず苦しみます。
そして16-9と最大7点差まで開き、MBのクロサートの連続エースなどで少し点差を縮めるも、チステルナはOPジルリッチのスパイクが面白いように決まります。
パドヴァはOHアスパルホフをデスメット(ベルギー)に、髙橋をガルディーニに、セッターサイッタもゾッペラーリに代えるなどして立て直しを図りますが上手くいかず。
最後はジンゲルのクイックが決まって25-19でチステルナが1セット目を先取します。
第2セット、パドヴァはOHを髙橋とデスメットでスタート。
スタートから髙橋が相手のブロックに捕まりますが、そこからパドヴァはOPペトコヴィッチ、チステルナはOHバイラムを中心に得点を重ね、一度も2点差以上開かない一進一退の攻防になります。
先にチステルナが24-23とセットポイントにのせますが、パドヴァがブロックで食らいつくとそのまま長いデュースに。
しかしチステルナのタッチネットとスパイクのミスに助けられたパドヴァが逆転に成功すると、最後はデスメットがスパイクとサーブを続けて決めきって31-33の激しいセットをパドヴァがものにします。
第3セット、パドヴァは髙橋に代えて2セット目途中から入っていたガルディーニをそのまま起用。
しかしそのガルディーニが相手のサーブにやられて8-3とチステルナにリードを広げられます。
パドヴァは髙橋を戻してレシーブから立て直しを図り、髙橋のパイプ攻撃やデスメットの連続サービスエースで12-10と2点差まで詰め寄りますが、その後パドヴァはなかなかアタックが決まらず逆にミスを出すなどしてリズムに乗れません。
一方チステルナはラリーからジルリッチやセドラチェクのスパイクでブレイクを重ねて24-18と大きくリードしてセットポイントを迎えます。
そこから髙橋がサービスエースを決めて一矢報いましたが、最後はセドラチェクのスパイクで25-19とし、チステルナが王手をかけます。
第4セットもチステルナの勢いは止まりませんでした。
パドヴァはOHをアスパルホフとデスメットという新しい組み合わせにして流れを取り戻そうとしますが、序盤からミスが重なりチステルナが9-5と大きくリードします。
その後パドヴァはアスパルホフとペトコヴィッチにボールを集めて悪状況を打開しようとしますが、相手の守備が堅く、逆にチステルナのセッターバラノヴィッチからの多彩な攻撃に翻弄され18-10と差が開くばかり。
23-15の場面で髙橋のスパイクがアウトになりチステルナがマッチポイントを迎えると、最後はネット上でのジャウスト(押し合い)に競り勝ったチステルナが25-15で危なげなく個とセットを取って3-1でパドヴァを下しました。
MVPはチステルナのセッター、バラノヴィッチ。
この日の髙橋は7得点(うちサーブ1、ブロック1)、アタック決定率26%(うちミス3、被ブロック3)と絶好調だった過去2試合比べるとかなり厳しい数字となりました。
ミラノは次回現地時間10月23日(日)18:00から、ホームでペルージャと対戦します。
感想など
2勝同士で勢いのあるチーム同士の対決でしたが、チステルナに軍配があがってしまいました。
しかも2セット目を除いては大きく点差をつけられての敗北だったのが残念でしたね。
髙橋も過去2試合の大活躍が嘘のように綺麗に封じ込められていましたし。
特に相手ブロックのプレッシャーはすごくて、髙橋の得意なクロスコースにしっかりとマークされていて、かなり苦しんでいたようでした。
アタック得点よりもアタック失点の方が多く、効果率だとマイナスに…。
こんな髙橋は見たくなかった。
しかし今後とも今日のようにきつくマークされてくると思うので、マークあっている状態でも一定のパフォーマンスを出していかないと、このイタリアでは生き残れません。
次の相手のペルージャは更に強敵になるでしょうから、ここでの本来の高いパフォーマンスをバシッとみせてほしいですね!
この試合は僕も現地観戦の予定ですので(笑)
しかし守備や繋ぎの面では相変わらずの貢献度だったと思います。
髙橋がコートにいないとややバタバタした印象を受けましたが、彼がコートに入るとチームが落ち着くというか、よりよいリズムでプレーができているように感じました。
やはりそうした守備や繋ぎの面に関して言えば、イタリアリーグ内でもやはり彼はすでにトップレベルの位置にいると改めて感じました。
これは収穫。
そしてチステルナ、いいチームでした。
ブロックとレシーブの関係性がよく、チステルナが取った3つのセットはパドヴァのアタック決定率を30%代とかなり低く抑えていましたし、実際かなり繋いで拾っていた印象です。
また攻撃面では、ジルリッチの攻撃力が目立つものの、ベテランセッターのバラノヴィッチが場面場面で上手くボールを集めるアタッカーをうまく使い分けていて的を絞らせなかったですね。
この辺りは流石といったところでした。
チステルナは3戦全勝で10月17日現在暫定1位です。
この快進撃がどこまで続くかも楽しみになってきました。
またパドヴァはこの敗戦を糧にしっかり切り替えて、次の強敵ペルージャ戦に挑んでほしいと思います。
三度のジャイアントキリングが見たいな!!
なおイタリアリーグは全試合Volleyball World TVで生配信、アーカイブ配信されています!まだ利用されていない方は、下記リンクから視聴方法を確認して一緒に選手を応援しましょう!!
写真:Lega Pallavolo Serie A