イタリア男子バレーボールリーグセリエA後半第3節、リーグ8位の石川祐希所属ミラノは現地時間1月8日(日)にアウェイで同12位のシエナと対戦し、3-0(25-15, 25-22, 25-15)で勝利しました。
石川祐希はこの試合スタメンで出場し、両チームトップの18得点をあげるなどチームの勝利に大きく貢献しました。
第1セットスタメン
ミラノ
OH:メルガレホ(キューバ)、石川
MB:ロセル(アルゼンチン)、ピアノ(イタリア)
OP:パトリィ(フランス)
S:ポッロ(イタリア)
L:ペサレージ(イタリア)
シエナ
OH:ペトリッチ(セルビア)、ラッファエッリ(イタリア)
MB:リッチ(イタリア)、マッゾーネ(イタリア)
OP:ピナリ(イタリア)
S:フィノリ(アルゼンチン)
L:ボナーミ(イタリア)
※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ
この試合のスタッツはこちら
試合レポート
この試合ミラノは勝利したコッパイタリア準々決勝の2セット目以降と同じメンバーでスタートしました。
第1セット、出だしこそOHメルガレホのアタックミスでシエナに先制点を許してしまいますが、その後OHメルガレホのアタックやMBピアノのブロックで4連続得点を決めて4-1とミラノがリードします。
その後も安定したサーブレシーブからMBロセルのクイックなどでサイドアウトを取り、効果的なサーブからOPパトリィやOH石川らがブロックポイントでコンスタントにブレイクを重ね、中盤にはミラノが17-11と6点差まで広げます。
サイドアウトに苦しむシエナに対し、ミラノはOH石川やメルガレホのスパイクでブレイクを奪い、最後はロセルのサービスエースが決まって25-15でミラノが危なげなくこのセットをものにします。
第2セットは序盤からシエナのOPピナリが次々とスパイクを決めて5-8とミラノから3点のリードを奪います。
しかしOH石川のサーブからブレイクに成功して8-9と1点差まで追いつくと、その後OHメルガレホがOPピナリをブロックでしとめ、更にOH石川からのフェイクセットを見事に相手コートに叩き込んでミラノが11-10と逆転に成功します。
ここから競った展開が続きますが、シエナにミスが続いて17-15とミラノが抜け出すと、OH石川がアタックとサービスエースを続けて決めて19-16とさらに点差を広げます。
終盤もOH石川のスパイクで確実にサイドアウトを取ったミラノが、最後は相手のOPピナリのアタックミスで25-22でこのセットも取ります。
第3セット、シエナはOHラッファエッリに代えてOHファンハルデレン(オランダ)をスタートから起用します。
このセットも序盤からミラノの勢いが止まらず、OH石川のスパイクやブロック、Sポッロのブロックなどで走って7-4とリードします。
ただシエナもOPピナリがひとりでスパイクを決めまくって少しづつブレイクを重ね、12-12と中盤になんとか追いつきます。
しかしOHメルガレホのサーブから自身のサービスエース、そしてOH石川がブロックでOPピナリを止めるなどして一気に4連測ブレイクに成功したミラノが20-14と一気に点差を広げます。
終盤には連続してアタックミスが出るなどシエナが集中力を欠き、最後はMBピアノのサーブがエースになって25-15でこのセットも取ったミラノが3-0でシエナを下しました。
MVP:OHオスニエル・メルガレホ(15得点(うちサーブ1、ブロック2)、アタック決定率48%)
石川祐希は両チーム最多の18得点(うちサーブ1、ブロック3)、アタック決定率64%の大活躍でした。
これでミラノは通算7勝7敗20ポイントとして7位に浮上。
次回は現地時間1月15日(日)18:00(日本時間翌2:00)から、ホームで2位のモデナと対戦します。
前半戦の試合レポートはこちら↓
石川祐希選手の試合後コメント(legavolley.itより翻訳)
この試合は自分たちにとって非常に重要でした。特に勝ち点3を獲得できたことはとてもうれしいです。 自分のパフォーマンスにも満足しています。攻撃とブロックの両方で非常にうまくいきました。 チステルナとモンツァに敗れた後コッパ・イタリアでのチヴィタノーヴァに勝ち、そして今日も勝つことができたので自分たちはこの調子で進み続けられます。 次の試合、来週のモデナ戦は非常に難しい試合になると思います。ただ前半戦では勝っているので、自分たちがまた勝つ自信はあります。
感想など
途中少し競った場面もありましたが、全体を通して危なげなく終わった試合でした。
特に石川は年末のチヴィタノーヴァの試合の続きを見ているような圧巻のパフォーマンスで、途中フェイクセットも出たのもうれしかったですね!!!
石川はこの試合スパイクだけでなくサーブレシーブ成功率も71%と驚異的な数字で、またスパイク・サーブレシーブ共に失点ゼロというところがまたすばらしい。
あとブロックで相手のポイントゲッターであるピナリを要所でしっかり止めてました。
この先もこのまま好調を続けていってほしいですね!!!
正直今回もMVPかと思ったのですが、なぜかMVPはメルガレホ。
全部の数字で石川の方が上だったし、特に印象的なプレーをしたわけでもないのにメルガレホがMVPになるのはなんだか納得がいかない…。
MVPはその場の記者などの投票で決まることが多いのですが、彼らが何を基準にメルガレホに投票したのかは気になりますね。
メルガレホももちろんよかったですが、個人的にこの試合でよかったのはロセルの活躍が光ったこと。
クイック、ブロック、サーブのどのプレーでも存在感を見せていましたし、クイックに関しては今まで以上にポッロが積極的に使っていて、さらにこれまでのようなちょっと打ちにくそうだなと思うような場面もなく、やっとこの2人のいい形でのコンビネーションが見れたのかなと思います。
ぜひこのまま続けて、いずれはロセルがベストスコアラーになるみたいな試合も見てみたいです(笑)!!
ただこの試合唯一調子がいまいち上がっていなかったのがオポジットのパトリィ。
失点こそなかったもののアタック決定率32%と低調で、第3セットには控えのローレンスと交代しました。
今回はシエナ相手だったからよかったですが、来週のモデナ戦では彼の活躍が必要不可欠だと思うので、なんとかこの1週間でまた調子を上げてほしいと思います!!
一方のシエナはピナリが孤軍奮闘している感じでなんかかわいそうでした。
各国代表経験者がいて粒ぞろいのメンバーのはずなんですけどなかなかパフォーマンスが安定しないですね。
同じく下位で争っているパドヴァ的にはシエナが不調のままの方がいいでしょうが、いちバレーボールファンとしてはもう少し元気なチームになってほしいなと思っています。
でもやっぱり次のパドヴァ戦が終わるまでは苦しんでもらっていた方がよいかな(笑)。
とりあえずミラノはまた次回のモデナ戦は大事になってくると思うので、アリアンツクラウドのファンの前で大きな1勝を届けてほしいと思います!!
フォルツァ!!!!
写真:LegaPallavoloSerieA