イタリア男子バレーボールリーグセリエAは先に3勝した方が準決勝へコマを進めるプレーオフ準々決勝第1戦が行われ、石川祐希所属ミラノは現地時間3月18日(土)にアウェイでペルージャと対戦し0-3(22-25, 15-25, 18-25)で敗れました。
石川祐希はこの試合スタメンで出場し、チーム最多の12得点の活躍でした。
第1セットスタメン
ミラノ
OH:メルガレホ(キューバ)、石川
MB:ロセル(アルゼンチン)、ピアノ(イタリア)
OP:パトリィ(フランス)
S:ポッロ(イタリア)
L:ペサレージ(イタリア)
ペルージャ
OH:レオン(ポーランド)、プロトニツキ(ウクライナ)
MB:ルッソ(イタリア)、フィラヴィオ(ブラジル)
OP:エレラ(キューバ)
S:ジャンネッリ(イタリア)
L:コラーチ(イタリア)
※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ
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試合レポート
第1セット、出だしからOPエレラのブロックやOHプロトニツキのサービスエースでペルージャが0-4リードします。
その後もミラノもMBロセルのサービスエースやOH石川のスパイクなどでブレイクを重ねて11-11と同点に追いつくと、さらにOHメルガレホのサーブからOH石川がトランジッションアタックを決めて14-13とミラノが逆転します。
しかし終盤にOHメルガレホのミスから18-19ペルージャが再度逆転すると、さらにOH石川にも勝負所でスパイクミスが出てしまい21-23とリードが2点差となります。
最後はSジャンネッリのサーブから直接返ってきたボールをMBフラヴィオが叩き込んで22-25でこのセットをペルージャが取ります。
第2セット、序盤からペルージャが堅いディフェンスからOHプロトニツキのスパイクやMBフラヴィオのブロックが決まり4-7とリードします。
さらにOHプロトニツキ、MBフラヴィオ、OPエレラに続けてサービスエースが出て8-13、その後もMBルッソのサーブからSジャネッリのブロックやOPエレラのスパイクで10-19とペルージャどんどん点差を広げていきます。
ミラノも選手交代から打開策を見出そうとするも、そこからもMBフラヴィオに連続ブロックを許し11-22とペルージャに10点差以上離されます。
終盤、OH石川がキレのある超インナースパイクを叩き込むも、最後はMBルッソのクイックで15-25して王者の力を見せつけたペルージャがこのセットを難なく取ります。
第3セットも出だしからOHプロトニツキのサービスエースやブロック、MBルッソのスパイクやSジャンネッリのサービスエースで2-8とペルージャが大きく前に出ます。
ミラノはMBロセルのスパイクやSポッロのブロックなどで11-14まで追いつきますが、中盤からMBフラヴィオのブロックなどで連続得点をあげたペルージャが14-22と突き放します。
その後OH石川のパイプ攻撃やOPパトリィのサービスエースでミラノも一矢報いますが、最後はOPエレラの強烈なスパイクが決まって18-25でこのセットも取り、ミラノは0-3でペルージャに敗れました。
MVP:MBフラヴィオ・グアルベルト(10得点(うちサーブ1、ブロック6)、アタック決定率60%)
石川祐希はチーム最多の12得点、アタック決定率71%、サーブレシーブ成功率46%の活躍でしたが、チームを勝利に導くことはできませんでした。
プレーオフ準々決勝第2戦は、現地時間3月22日(水)20:30(日本時間翌4:30)からミラノで行われます。
試合の感想など
ミラノの完敗でした。
1セット目に限って言えばそこそこ戦えていましたが、2セット目以降は序盤から終始力の差を見せつけられる展開となってしまいました。
石川個人としてはチーム最多得点、アタック決定率71%とアタックでは絶好調だったものの、サーブミスが8本中5本と非常に多く、ミラノにとって大きなブレイクチャンスである石川のサーブで連続得点を稼ぐことができませんでした。
サーブに関してはミラノ全体としても効果が全然足りなかったと思います。
リベロのコラーチを避けて、レオンをメインターゲットにアウトサイドの2人にサーブを集めることには成功できていましたが、そのサーブが弱く、2人にプレッシャーを与えるまでには至りませんでした。
今季唯一ペルージャに黒星をつけたピアチェンツァがサーブでガンガンに殴り倒していたことを考えてると、これが絶対条件であることは間違いないでしょう。
またこの試合は3セットで11本の被ブロックを浴びて先週ミラノがターラントにやったことを逆にやられてしまいました。
その11本のうち4本はメルガレホ、3本は彼と代わって入ったエバディプールが出してしまったものだったので、石川対角のアウトサイドの攻撃が機能しなかったことが伺えます。
またオポジットのパトリィに関しても相変わらずの不調で、アタック決定率38%と決して良くはない数字です。
つまりコッパイタリア準決勝のトレント戦同様、この試合も攻撃面では石川が孤軍奮闘した形となっていたわけです。
ミラノのセッターポッロは積極的にミドル、特にロセルにもセットをあげてよくクイックを使っていましたが、リベロのペサレージを中心にサーブレシーブが崩されていい状況で打つ機会が少なく、ロセルの決定率も上がらず、結果サイドアタッカーの負担軽減にはつながらなかったのかなと思います。
逆にペルージャはやりたい放題(笑)。
チームのアタック決定率が68%と驚異的な高さでしたし、ブロックポイント5本のフラヴィオ、サービスエース3本のプロトニツキ、両チーム最多の17得点でアタック決定率79%のエレラなど、選手個々人のパフォーマンスもかなり高かったです。
また攻撃だけでなくサーブレシーブやフロアディフェンスなど守備も堅かったですし、サーブミス以外のミスもわずか4本と少なく、つけ入る隙がなかったように思います。
個人的にはサイドのプロトニツキが本当にかっこよかったです(笑)。
正に王者のバレーを見せつけたペルージャでした。
とくかくミラノにとっては課題だらけだったこの試合。
レギュラーシーズンでも2試合ともストレート負けだっただけに、このままプレーオフ残り2試合もストレートで敗れてしまうことは想像に難くないでしょう。
しかしサーブとサーブレシーブを最大限に機能させることができれば、セット奪取、さらに勝利もきっと見えてきます。
ぜひいい意味で予想を裏切ってほしいです。
写真:Powervolleymilano