イタリア男子バレーボールリーグセリエA、石川祐希所属ミラノはペルージャとのプレーオフ準々決勝第2戦を現地時間3月22日(水)にホームで戦い、3-2(27-25, 25-21, 21-25, 18-25, 15-13)で勝利しました。
石川祐希はこの試合もスタメンで出場し、チーム2位の18得点の活躍でチームの勝利に貢献しました。
第1セットスタメン
ミラノ
OH:メルガレホ(キューバ)、石川
MB:ロセル(アルゼンチン)、ピアノ(イタリア)
OP:パトリィ(フランス)
S:ポッロ(イタリア)
L:ペサレージ(イタリア)
ペルージャ
OH:レオン(ポーランド)、セメニウク(ポーランド)
MB:ソレ(アルゼンチン/イタリア)、フィラヴィオ(ブラジル)
OP:エレラ(キューバ)
S:ジャンネッリ(イタリア)
L:コラーチ(イタリア)
※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ
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試合レポート
第1セット、序盤はペルージャにスパイクのミスが続き5-3とミラノがリードします。
しかしMBソレの連続ブロックやOPエレラのサービスエースで中盤に5連続ブレイクで9-13とペルージャに逆転を許します。
そこからミラノはOH石川、ペルージャはOHレオンを中心に得点を重ねますが、Sポッロのサービスエースなどでミラノが少しずつ点差を縮めていきます。
セット終盤、ミラノはOPパトリィのスパイクで22-22と同点に追いつくと、リリーフサーバーで入ったMBヴィテッリ(イタリア)がサービスエースを決めて24-23と逆転で先にセットポイントを迎えます。
その後デュースに持ち込まれますが、最後はラリーの中でOH石川から託された難しいボールを途中出場のエバディプール(イラン)が得点に変えて、27-25でこのセットをミラノが取ります。
第2セット、序盤はお互いにセットを散らしながらいろんな選手が得点を決めて8-8と競ったまま試合が進みます。
中盤、ミラノがMBロセルのブロックやOH石川のサービスエースでブレイクを決めると、ペルージャもOHレオンのサービスエースやSジャンネッリのブロックでブレイクを奪い返すなどして20-20と点差が開かないまま終盤に差し掛かります。
しかしOHメルガレホがスパイクとブロックで連続得点を決めると、MBピアノにも続けてブロックポイントが出て24-20とミラノが一気にセットポイントを握ります。
そして最後はOHメルガレホが力強いスパイクを決めて25-21でこのセットも続けてミラノが取ります。
第3セット、あとがないペルージャはOHプロトニツキ(ウクライナ)とOPリヒリツキ(ルクセンブルク/イタリア)をスタートから起用します。
そのOHプロトニツキが序盤から2連続サービスエースを決めて2-5とペルージャが先行します。
さらにOHプロトニツキにフェイクセットからのOHレオンのスパイクやOHレオンのサービスエースなどで5-12と点差を大きく広げてペルージャがミラノを突き放します。
その後ミラノはOHエバディプールとMBヴィテッリを投入するも点差は更に広がり14-23となります。
しかしここからMBロセルのサーブが走り、サービスエースや相手のアタックミス、OH石川のカウンターのパイプ攻撃などで6連続ブレイクに成功したミラノが21-23と一気に2点差まで詰め寄ります。
ですが最後はOPリヒリツキのブロックで21-25としたペルージャがこのセットを奪い返します。
第4セット、序盤ミラノはOH石川を中心に得点を重ねますが、ペルージャがMBフラヴィオのクイックやOHレオンのパイプ攻撃でブレイクを重ねて6-9とリードします。
さらに再びOHプロトニツキがサービスエース2本を含む4連続ブレイクで7-14と点差を広げられてしまいます。
ミラノもMBピアノの3連続ブロックで14-17と点差を縮めますが、その後OPリヒリツキのスパイクなどでペルージャにブレイクを許して14-20となります。
最後はOHレオンが高さのあるスパイクを決めて18-25でこのセットをペルージャが取り、試合はフルセットへもつれ込みます。
第5セット、ミラノがOHプロトニツキのサーブをMBピアノのスパイクで1本で切ると、その後はお互いにサイドアウトが続くもミラノが先行した状態で試合が進みます。
2周目のプロトニツキのサーブがミスとなり8-7でコートチェンジとなりますが、その後OH石川がOHレオンのブロックに捕まり9-10とミラノがペルージャに逆転を許します。
しかしそこからOHメルガレホが連続してスパイクを決めて11-10と再度ミラノが逆転に成功します。
さらにSジャンネッリのツーアタックをSポッロが拾ってそのボールもOHメルガレホが決めきって13-11、続けてMBロセルがサービスエースを決めて14-11としてミラノが先にマッチポイントを握ります。
ペルージャもMBフラヴィオがOHメルガレホを止めて14-13と1点差まで詰め寄りますが、最後はラリーの中でOHプロトニツキのスパイクがアウトになり、15-13でこのセットを取ったミラノが3-2でペルージャに勝利しました。
MVP:OHオスニエル・メルガレホ(22得点(うちブロック4)、アタック決定率42%、サーブレシーブ成功率33%)
石川祐希は18得点(うちサーブ1)、アタック決定率47%、サーブレシーブ成功率45%の活躍でした。
次回のプレーオフ準々決勝第3戦は現地時間3月26日(日)17:00(日本時間翌1:00)からアウェイのペルージャで行われます。
試合の感想など
ミラノが勝った!!!!!!!!!!!!!
正直まだ信じられないですね。
ミラノに勝ってほしいと願いつつも、客観的にはペルージャが3連勝して楽々と準決勝に進むだろうと思っていましたから。
だって今季のペルージャは公式戦で1敗しかしていなかったし、ミラノは3回やって1セットも奪えてませんでしたから。
なのでちょうどWBCで日本代表が前回優勝のアメリカを倒して優勝したあとでしたが、野球日本代表の快挙よりも難しかったことをミラノチームは成し遂げたと思っています(笑)。
なんだかもう準決勝に進んだ気分ですが、まだ準決勝進出にはこのモンスター軍団にあと2勝もしないといけないんですよね、険しすぎるわ。
でもとにかくとてもとても大きな1勝。
前回の第1戦では石川以外のサイドアタッカーの攻撃がほとんど決まっていませんでしたが、この日はMVPも受賞したメルガレホが抜群に調子がよかったです。
ペルージャに取られた3, 4セットこそ相手のブロックに苦しんだものの、1, 2, 5セット目に関してはほとんど決まっていたんじゃないかというくらいハイボールも含めて面白いように決まっていました。
また強打一辺倒だけじゃなく軟打も織り交ぜて緩急をつけていたのがグッドでした。
ありがとうメルガ!!!!
石川も、ここ最近はなんだかひとりで熱くなりすぎている場面も多かったですが、この日は冷静にコートが見えていたように感じました。
得意のフェイントも効果的に決まっていましたし、この日の石川は紛れもなく「石川先生」だったと思います(笑)。
それ以外にもロセルのサーブ、ヴィテッリのサーブ、ピアノのブロックとミドル陣もそれぞれに見せ場がありましたし、リベロのペサレージも今日はよく耐えた。
またセッターのポッロも第5セットもジャンネッリのツーに反応して拾った場面は痺れました!!!
あのプレーが今日の試合を決めたと言っても過言ではないでしょう。
この試合のジャンネッリのツーアタックはその前にもメルガレホがブロックで阻止してましたね。
フルセットやってジャンネッリのツーアタックが一度も決まらないことってかなり珍しいんじゃないでしょうか。
それほどミラノがツーアタックを警戒して上手く対処できていたということでしょうね。
しかし、パトリィよ。
いいプレーもいくつかあったのですが、全体的にはまだまだ低調。
今日はメルガレホが爆発してたし、石川もよかったから勝てたものの、君ももっと決まっていたらどれだけ楽だったことか。
今日のミラノは本当に凄かったけど、まだまだベストではないはず。
頑張れパトリィ、僕たちは元気な君が見たいんだ。
しかしペルージャ、というかプロトニツキは本当に怖い選手でした。
第1戦でも彼のサーブにやられ、今回もまた彼のサーブにやられてしまいました。
流石僕のお気に入りだけのことはある(笑)。
第5セットに彼のサーブが走らなかったのは本当にラッキーでした。
最後もデュースになってプロトニツキに3周目のサーブ順が来ていたらたぶんミラノは負けていたんじゃないかと思います。
おそらく次の第3戦ではプロトニツキをスタメンに戻してくるでしょうから、ミラノはここの苦手意識を早いうちに取り除きたいところですね。
あとは何度も言うけどパトリィ頑張れ!!
あと2勝頑張れ!フォルツァミラノ!!!!
写真:Lega Pallavolo SerieA