基本情報
クラブ名:パワーバレー・ミラノ(Powervolley Milano)
創設年:2010年
ホームタウン:ミラノ
所属リーグ:セリエAスーパーレガ(2014/15~)
ホームアリーナ:アリアンツ・クラウド(5347人収容)
直近3シーズンの成績
2022/23
リーグ戦:4位
コッパ・イタリア:ベスト4
2021/22
リーグ戦:9位
コッパ・イタリア:ベスト4
2020/21
リーグ戦:6位
コッパ・イタリア:ベスト8
CEVチャレンジカップ:優勝
2023/24シーズンメンバー
監督
ロベルト・ピアッツァ
イタリア
1968/01/29
5季目(2019/20~)
情熱あふれるイタリア人指揮官。タイムアウト中に選手たちにアツく言葉を投げかける姿が印象的だが、知略家でもあり臨機応変に戦術を仕掛ける。すでに3シーズン共に過ごした石川には大きな信頼を寄せている。オランダ男子代表監督兼任。現役時代のポジションはミドルブロッカー。
選手一覧
#1 マテイ・カジースキ★ OH/203/1984
#2 オスニエル・メルガレホ OH/197/1997
#4 ニコラ・ゾンタ★ S/186/2000
#5 ダミアノ・カターニャ★ L/180/2001
#6 マルコ・ヴィテッリ MB/203/1996
#7 フェッレ・レゲルス★ OP/202/2003
#8 アグスティン・ロセル MB/198/1997
10 アンドレア・インノツェッティ★ MB/203/2000
11 マッテオ・ピアノ(C) MB/208/1990
14 石川祐希 OH/192/1995
16 パオロ・ポッロ S/183/2001
17 ルカ・コロンボ L/178/2004
30 ペタル・ディルリッチ★ OP/205/1997
★・・・新加入
#1 マテイ・カジースキ
アウトサイドヒッター
国籍:ブルガリア
生年月日:1984/09/23
身長:203cm
新加入(←トレンティーノ(イタリア))
男子バレー界の生ける伝説。イタリアリーグ優勝5回のほか、ロシア、トルコ、欧州チャンピオンズリーグ、そして日本のジェイテクトでも優勝経験のある正に優勝請負人。今年で39歳の大ベテランながら昨季も所属していたトレンティーノをリーグ優勝に導き、自身もリーグMVPを獲得するなど未だ衰えを知らない。間違いなく今シーズンのキーマン。
#2 オスニエル・メルガレホ
アウトサイドヒッター
国籍:キューバ
生年月日:1997/12/18
身長:197cm
2季目
昨季は主に石川の対角としてスタメンで活躍。持ち前の爆発力でチームに勢いをもたらす。カジースキが加入したため今季は控え中心になるが、途中出場でも頼れる選手であることは間違いない。監督には「メルガ」と呼ばれている。キューバ代表。
#4 ニコラ・ゾンタ
セッター
国籍:イタリア
生年月日:2000/05/15
身長:186cm
新加入(←ファノ(イタリア))
下部リーグのA3からの移籍で今季トップリーグ初参加となった若手セッター。プレシーズンでの正セッターポッロの負傷により、開幕からスタメン出場し早速経験値を積んでいる。まだまだ役者不足感が否めないが、今季はオポジットが2人ともスタメンレベルの選手なので、彼の成長は戦術的な幅を増やすうえで非常に重要である。
#5 ダミアノ・カターニャ
リベロ
国籍:イタリア
生年月日:2001/03/28
身長:180cm
新加入(←チステルナ(イタリア))
イタリア代表。今年はポッロ、ヴィテッリと共にユニバーシアードイタリア代表として金メダル獲得に貢献した。昨季は石川に大きくのしかかった守備面の負担を軽減してくれることが期待される。ちなみに出身地も名前と同じカターニャ。
#6 マルコ・ヴィテッリ
ミドルブロッカー
国籍:イタリア
生年月日:1996/04/04
身長:203cm
2季目
控えに回ることが多いが、実力はスタメン級。途中出場ではブロックでもサーブでも必ずいい仕事をしてくれる職人。「アニキ」っぽい風貌から筆者は「兄さん」と呼んでいるが、年齢は石川の1個下。イタリア代表。
#7 フェッレ・レゲルス
オポジット
国籍:ベルギー
生年月日:2003/07/18
身長:202cm
新加入(←マーサイク(ベルギー))
今年のパリ五輪予選全体のべストスコアラーで、チームをパリ五輪出場あと1歩のところまで導いたベルギー期待の星。しなかなジャンプからキレのあるスパイクを打ち込むほか、アウトサイドヒッターもできる器用さも持っている。彼女もベルギー代表のバレー選手(めちゃかわいい)。
#8 アグスティン・ロセル
ミドルブロッカー
国籍:アルゼンチン
生年月日:1997/10/12
身長:198cm
2季目
東京五輪ではスタメンとしてアルゼンチン代表の銅メダル獲得に貢献し、自身も大会ベストブロッカーに輝いた現役トップクラスのミドルブロッカー。上背はないものの、機動力抜群でクイック、ブロック、ジャンプサーブとどのプレーでも存在感を放つ。注目は斜めにジャンプしながら相手ブロッカーを翻弄するドリフトクイック。ベビーフェイスだけど試合中はけっこう激しめ。
10 アンドレア・インノツェッティ
ミドルブロッカー
国籍:イタリア
生年月日:2000/10/06
身長:203cm
新加入(←ブルゲーリオ(イタリア))
ゾンタと同じく下部リーグA3からの移籍した若手ミドルブロッカー。同ポジションは他3人のレベルが高いためなかなか出番がないと思うが、チャンスがあったときにはしっかりと役割を果たしてくれることを期待したい。
11 マッテオ・ピアノ(C)
ミドルブロッカー
国籍:イタリア
生年月日:1990/10/23
身長:208cm
7季目
キャプテン・ミラノ。元イタリア代表でリオ五輪銀メダルメンバーのひとり。「ブロックのミラノ」を象徴するブロックの鬼、止めまくる。またキャプテンらしくポジティブな声がけでチームのムードをつくる。声がダンディ。独特な助走のサーブにも注目。
14 石川祐希
アウトサイドヒッター
国籍:日本
生年月日:1995/12/11
身長:192cm
4季目
イタリアリーグ9シーズン目、ミラノで4シーズン目を迎える石川。ピアノがいない場合にはコートキャプテンを務めるなど、日本代表のときと変わらないキャプテンシーでチームを引っ張る。クラブでは日本代表でプレーするときよりも守備の負担が大きくなるが、アグレッシブなプレーはここでも健在である。
16 パオロ・ポッロ
セッター
国籍:イタリア
生年月日:2001/10/27
身長:185cm
3季目
ミラノの若き司令塔。真ん中の攻撃を積極的に使う強気なセッティングと幼さ残る顔からは想像できない強烈なサーブが武器。石川との信頼関係も抜群で、昨シーズンは大事な場面では前衛後衛限らず石川にボールを託す場面も多かった。弟のルカもパドヴァで今季セリエAデビューを果たした。その下にもバレー選手の弟がいる。イタリア代表。
17 ルカ・コロンボ
リベロ
国籍:イタリア
生年月日:2004/01/14
身長:178cm
2季目
ミラノの最年少選手。昨シーズン出場機会がわずかにあったものの、十分なレベルのパフォーマンスを発揮できなかった。今季も出場機会を得るのは難しいと思うが、コートに立った際には成長した姿を見せてほしい。
30 ペタル・ディルリッチ
オポジット
国籍:クロアチア
生年月日:1997/05/27
身長:205cm
新加入(←チステルナ(イタリア))
安定感のある本格派オポジット。オポジットらしい高さとパワーに加え、器用さも兼ね備えている。昨季レギュラーシーズンのベストスコアラーランキング2位につける活躍でチームを引っ張った。今季はその力をミラノで存分に発揮して上位進出へ貢献してほしい。
主なスタメン
OH:カジースキ、石川
MB:ロセル、ピアノ
OP:ディルリッチ
S:ポッロ
L:カターニャ
トシキのコメント
コッパイタリアとリーグ戦の両方でベスト4入りを果たした昨シーズンから約半数の選手が入れ替わったが、今季の方が総合的に戦力がより充実していると言えるでしょう。
特にアウトサイドヒッターのカジ―スキ、オポジットのディルリッチ、リベロのカターニャという3人の加入はとてもよい補強になったと思います。カジースキはプレー面だけでなくメンタル面でもチームを引っ張れるリーダーシップを持ったベテラン選手ですし、ディルリッチとカターニャは共に波の少ない選手であるので、昨季の課題だった各要素が見事に補われています。
石川は攻守に優れたミスの少ないプレーヤーでその凄みはこのイタリアでも年々増してきています。特にアタック時の引き出しの多さとその選択の秀逸さには毎回舌を巻きます。「石川先生っ!」と声が漏れます(笑)。
ミドルの2人も強い。高さのピアノと機動力のロセルでブロックを量産します。加えてこの2人はそれぞれサーブでブレイクを取れるのも強い。クイックは昨シーズン後半からポッロとロセルのコンビネーションに磨きがかかってきていたので今季もそれに期待。ベンチに控えるヴィテッリもレベルが高いです。
心配なのが現在怪我で試合に出られていないセッターのポッロ。ここ2試合は控えのゾンタが出ていますが、セットの質・配球ともはやり役者不足感が否めないので、早い復帰を願います。
サーブ&ブロックでどのローテーションからでもブレイクが取れるので、多少点差を離れされても逆転できる強みを持っているチームです。逆にサーブレシーブでやや不安を抱えており、またアウトサイドヒッターが3人しかいない(しかも守備的なアウトサイドヒッターが石川だけ)ので、相手のサーブに攻められたときにどう対処していくかが課題となるでしょう。
しかし昨季以上の成績を収める可能性は十分にあります。特にCEVカップについてはタイトルを取れるのではないかと思います。
Photo: legavolley.it、筆者撮影
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