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欧州排球取材記9:ドイツに行ったらケバブを食べよう

2023年2月25日

今回は2月15日にベルリンへ欧州チャンピオンズプレーオフのベルリン対ジラット・バンク・アンカラ(以下ZBアンカラ)の試合の取材に行ったときの記録です。

ベルリンはホーム集客がすごいし(だいたい4, 5千人入る)、今シーズンは日本の井手智選手がいるし、また相手のZBアンカラには中国リーグを終えたユアントレーナ(イタリア)が移籍していて彼のプレーもみたいということで、行ってみたくなって行ってみました。

僕が住んでいるワルシャワとベルリンは「ベルリン‐ワルシャワ‐エクスプレス」という特急電車で結ばれています。

所要時間が5時間半と新幹線で東京から福岡に行くより時間がかかりますが、飛行機も結局待ち時間と空港⇔市街地間の移動で結構かかりますし、値段も早めに買えば片道3600円~と飛行機に比べてかなりリーズナブルなので、今回はこちらを選択。

他にも高速バスで行く方法もありますが、こちらは値段は電車と大差ないにもかかわらず所要時間は8時間くらいかかるのでお勧めしません。

今回は10時半からの練習見学に間に合うように始発便に乗りました。3時起きでした(笑)。

4時24分発

席はコンパートメント式でしたが6人席に僕を含めて2人しかいなかったので足を伸ばして眠ることができました。

ただ暖房の効きがよくなくて少し寒かったですね。

後ろの車両は乗ってきたポーランド国鉄の車両

そんなこんなで電車は約20分遅れてベルリン中央駅に到着。

もうこのくらいの遅れは想定内です(笑)。

そして当然ながらすでに周りではドイツ語が飛び交っています。

大学1年生のときの第2外国語はドイツ語選択でしたが、もう自己紹介くらいしか覚えていなくてドイツ語はほとんどわかりません…。

あとドイツはポーランドのほんのお隣ですが、やっぱりポーランドに比べるとパッと見ただけでも人種の多様性が大きいように感じました。

やっぱり西ヨーロッパは違うなぁ。

ベルリン中央駅から今回の会場であるマックス・シュメリング・ハレまではトラム(路面電車)で約20分でした。

最大収容人数が約12000人なだけあって見た目からかなり大きいです。

僕がここに来るのはこれで3回目で、1回目は2015年の欧州チャンピオンズリーグファイナル、2回目は2016年のリオ五輪ヨーロッパ予選のときでした(言わずもがなどちらも男子)。

特にリオ五輪ヨーロッパ予選の3位決定戦ドイツ対ポーランドは、勝ったほうだけ日本での最終予選に進出できるという試合の重みに加え、フルセットまでもつれた白熱した試合内容、またほぼ満員の会場にドイツファンとポーランドファンがそれぞれ約半々くらいいてどっちのホームでもありアウェイでもあるような雰囲気とでものすごく盛り上がったので、僕が現地で見た数ある試合の中でも3本の指に入るくらい印象的な試合でした。

練習見学時の入口がわからなかったので適当に警備員さんに話しかけたら英語が話せない人で、そこにたまたま通りかかった園児を連れた幼稚園の先生に通訳してもらってなんとか入ることができました。

練習風景

まず改めてこのアリーナで毎試合やってるのは本当にすごいなと思いました。

Vリーグのチームが全ホーム戦を東京体育館でやっていると考えると想像つくかなと思います。

それくらい本当に大きいし立派なアリーナ。

ベルリンの練習は、当日と言うこともあり、サーブとサーブレシーブ中心の軽めのアップに留まっていました。

ただこの会場に日本人選手がいるのは不思議な感じです。

練習は11:30ごろに終わり、対戦相手であるZBアンカラの選手たちが入ってきて、もちろんその中にはユアントレーナの姿もありました。

帰り際に少し井手選手とお話をして僕は一旦会場を後にしました。

ちょうどお腹もすいていたので、会場近くにあったグーグル評価4.9/5.0のケバブ屋さんへ。

僕は安くて野菜も摂れて美味しいケバブが大好きなわけですが、特にドイツのケバブはレベルが高いんです。

それもそのはず、ケバブ自体はもちろんトルコ発祥なのですが、これをパンにはさんだ形で出したのはドイツのトルコ系移民の人々が最初だったらしく、つまりドイツはケバブサンド発祥の地なのです。

特に今回僕が行ったお店(Rüyam Gemüse Kebab 2)はケバブは写真のとおりボリューム満点でしたし、店員さんも明るくていい人(もちろん英語もペラペラ)でしたし、あったかい紅茶を無料提供していたので本当に納得の4.9のお店でした。

そして天気もよかったのでちょっと周辺をお散歩しました。

大通りのすぐ上を電車が走っている風景はなんだかよさげでした。

もちろんドイツもほとんどの人はマスクをしていません。

ベルリンは街を歩いていると落書きは結構多いですが、治安の悪さはあまり感じませんね。

ベビーカーや犬と一緒に散歩している人たちもよく見かけました。

なんだかんだ来るたびに「ここは抵抗感なく住めそうだな~」と思える街です。

その後は同じ会場で欧州チャンピオンズリーグの女子の試合を観戦。

フェネルバフチェ・イスタンブール(トルコ)対ウッチ(ポーランド)の試合で、どちらもドイツのチームではないですが、先日のトルコ・シリアで起きた大地震でトルコでの開催が困難になったため、第3国のドイツでお客さんを入れずに行われていました(僕は特別に許可をもらって会場に入れてもらえました)。

先月イタリアでセリエA女子の試合を見たときも感じましたが、特にヨーロッパの女子バレーが男子化しているというか、とにかく両チームともパワフルなプレーの連発で面白かったです。

特にフェネルバフチェのオポジットのヴァルガス(トルコ/キューバ)は男子並みのパワーですごかった。

結果はそのフェネルバフチェが3-0で勝利しました。

空き時間に入ったカフェにいたモフモフなイヌ

そして少し時間を空けて男子の試合の開場時間となりました。

試合開始1時間前に入ったときは席に座っている人はまばらでしたが、周りでビール飲んでいる人たちは既にいっぱいいました(笑)。

流石ドイツ人(笑)。

あとこの会場は売店の数が多くて、写真のようなお店がアリーナ内にだいたい10店舗くらいあって、だいたいどこに行ってもビールやフライドポテト、ホットドッグなどを買う人たちが列をなしてました。

こんなに飲食が充実して賑わっている会場は世界を探してもなかなかないんじゃないかと思います。

ペダルを踏んで自分でソースをかける機械もありました。

そんなこんなでスパイク練習が始まりました。

貴重なリベロ井手選手のスパイクが見れてよかったです(笑)。

試合レポートおよび井手選手のコメントは以前の記事に書いています。

試合の感想としてはまずお客さんがすごかったですね!

流石に上の階は主審側を除いてそこまで埋まってなかったですが、下の席はほぼ満席で実際に5000人以上の入場者数があったようです。

イタリアリーグでも最近は3000人行けば多い方ですが、それを優に上回る数字。

特に僕の真後ろにいた応援団の圧がすごくてドラム音が会場内にズンズンと響きわたってそれに合わせて会場全体で手拍子が起こるし、ベルリンチームがボールを触るたびに「アイン!ツヴァイ!ドライ!(1!2!3!)」とみんな叫ぶし、ベルリンがブロックを決めたときにはハリセンを広げてみんなで揺れます。

いやもう本当に会場の一体感というか、正にこれがスポーツエンタメだなという素晴らしい雰囲気でした。

5セット目には空いている記者席の机に立って盛り上げていたベルリンのマスコット

また試合の内容に関しては、1セット目の21-24からのZBアンカラの大逆転劇には頭を抱えましたが、その後はセッターのティリが素晴らしかった。

2セット目序盤からこれでもかというくらいにガンガンミドルを使って、またそれに両ミドルも答えてガンガン決めていきます。

特にこの試合のMVPとなったミドルのブレーメはクイックだけでなくブロックやサーブでも得点を決めてこのセットだけでも6得点の活躍。

そうしてミドルを多用して相手ブロッカーがミドル攻撃に意識を向けざるを得なくなったところでサイドやパイプを織り交ぜてもう攻撃がバンバン決まる、まさに理想的な状態を作り上げました。

そうして2、3とセットを連取して、4セット目も行けそうだったところをユアントレーナのサーブで5連続失点して一気にひっくり返されました。

流石ユアントレーナ…。

でも5セット目はOPソトラのスパイク、サーブでの活躍や相手のミスにも助けられてしっかり取り切ってベルリンの勝利!

長時間の激闘だっただけにコート内外の盛り上がりも凄まじかったです!!

勝利に喜ぶベルリンコート

その後ベルリンの選手たちはコートを1周してファンの方たちをハイタッチしていきました。

でもZBアンカラもすごくいいチームでした。

やっぱりユアントレーナはスパイク、サーブなどプレーでの数字はもちろん、勝負所での集中力が凄まじかったですし、OPテルマー(オランダ)とSエクシ(トルコ)のライト攻撃もめちゃめちゃ速い抜群のコンビネーションでした。

なんかWD名古屋の椿山のまんま上位互換みたいな攻撃でしたね(笑)。

もともとこのプレーオフはアンカラとベルリンでの2試合で勝者を決めるフォーマットが地震の影響でベルリンでの1本勝負に変わってしまったので、もし予定通りに行われていたら本当にどうなっていたかわかりません。

むしろ地震で国内リーグがストップしたり、うまく練習ができていなかったことを考えるとZBアンカラの選手たちを称えるほかありません。

本当に両チームともお疲れさまでした。

試合後には井手選手へのインタビューも行いました。

会場内には井手選手のユニフォームを来た現地ファンの方も少なくない人数いて、インタビューの直前も多くのファンに写真を頼まれていたので、すでにベルリンで愛される選手になっているんだなと嬉しく思いました。

本当はユアントレーナにもお話を聞きたかったのですが、すでにコートを去っていたので諦めて帰ることに。

しかし偶然にも僕が建物を出た目の前をユアントレーナが歩いていたので写真だけお願いしました。

グラッツェ!!!

そうしてこの日は宿に帰り、翌日現地に住んでいる友人と会うなどしてワルシャワに帰りました。

帰りも同様に5時間半かかりましたけど、やっぱり不思議と帰りは早く感じました。

ベルリン中央駅正面

帰りの電車の食堂車で食べた受―レックというポーランドのスープが五臓六腑にしみわたり美味しかったです。

写真:筆者撮影

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