イタリア男子バレーボールリーグ第4節、石川祐希所属のミラノは現地時間11月12日(日)にチヴィタノーヴァと対戦し、3-0(25-21, 27-25, 25-21)で勝利しました。石川祐希は先発出場し9得点の活躍でした。
第1セットスタメン
ミラノ
OH:カジースキ(ブルガリア)、石川
MB:ロセル(アルゼンチン)、ピアノ(イタリア)
OP:レゲルス(ベルギー)
S:ポッロ(イタリア)
L:カターニャ(イタリア)
チヴィタノーヴァ
OH:ザイツェフ(イタリア)、ニコロフ(イタリア)
MB:シネニエゼ(フランス)、ディアマンティーニ(イタリア)
OP:ラグンジア(トルコ)
S:デチェッコ(アルゼンチン)
L:バラソ(イタリア)
※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ
試合レポート
第1セット、出だしはOH石川のパイプ攻撃などで4-2とミラノがリードします。その後OPラグンジアのスパイクやMBシネニエゼのサービスエースなどで中盤までにチヴィタノーヴァが13-15と点差を離すと、お互いにブレイクを取り合いながらも19-21とチヴィタノーヴァのリードで試合が進みます。しかしOH石川のサーブからOHカジースキのスパイクやMBロセルのブロックでミラノが連続得点をあげ、24-21と逆転で一気にセットポイントを迎えます。そして最後はOH石川が渾身のノータッチエースを決めて25-21でこのセットをミラノが取ります。
第2セット、序盤はミラノのOPレゲルスとチヴィタノーヴァのOHザイツェフの打ち合いとなりますが、ミラノのミスやOPラグンジアのブロックで7-9とチヴィタノーヴァがリードします。そこからミラノはOHカジースキのスパイクなどでサイドアウトを取るも、点差が変わらないまま17-19まで進みます。しかしOPレゲルスのスパイクとサービスエースで20-19とミラノが逆転に成功。さらにリリーフサーバーMBヴィテッリ(イタリア)のサーブでミラノが24-22と先にセットポイントに乗せます。その後チヴィタノーヴァはOHニコロフのスパイクなどで24-24とデュースに持ち込みますが、最後はOHザイツェフのスパイクがミスになり27-25でこのセットもミラノが取ります。
第3セット、ミラノがMBロセルのブロックなどで3-1とすると、すかさずチヴィタノーヴァも途中出場のMBアンザーニ(イタリア)のブロックなどで点数を重ねて6-7と逆転します。しかし相手のミスやOPレゲルスのブロックなどで13-10とミラノが再度先行します。その後、チヴィタノーヴァは途中出場のOHボットロのサービスエースなどで19-19と同点まで追いつきますが、終盤にMBロセルのサーブからOHカジースキがスパイクを立て続けに決めて24-20とミラノが一気にマッチポイントを握ります。そして最後もOHカジースキがスパイクを決めきって、25-21でこのセットもミラノが取ります。
この結果3-0でミラノがチヴィタノーヴァに勝利しました。
MVP:OPフェッレ・レゲルス(15得点(アタック13、サーブ1、ブロック1)、アタック効果率60.00%)
石川は9得点(うちサーブ1)、アタック効果率18.18%でした。
これでミラノは通算成績1勝3敗4ポイントとして暫定10位となりました。
次回は日本時間11月16日(木)4時30分から同2位のトレンティーノと対戦します。
イタリアリーグHP: https://www.legavolley.it/
配信(VBTV、有料): https://www.volleyballworld.tv/home
月刊バレーボール最新号が半額以下で読める↓↓↓
トシキのつぶやき
おかえりポッロ!!!
正セッターのポッロが開幕前に患った怪我から完全復活。それと同時にミラノもこれまでの3試合とは別チームのような復活を遂げてようやく1勝目、しかも強豪チヴィタノーヴァからの1勝でした。ここまではどこか自分たちの中だけで戦っているような感じでしたが、この試合は自コート内でのストレスをあまり感じさせずに相手としっかりと戦えていたように思います。
久々にSポッロのセットからのOH石川の早いパイプ攻撃や、MBロセルのドリフトクイックが見ることができてテンションが上がりました。
しかし当の石川本人は、全体としてはあまりパフォーマンスが上がりませんでした。スパイクは被ブロック3本でアタック効果率が20%未満。サーブレシーブの数字もよくありませんでした。しかし1セット目終盤のサーブや2セット目のデュースでのスパイクなど、全体的な調子がよくない中でも要所でしっかりと仕事ができるのは流石だなと思いました。
それでもこの試合は石川以外の選手のアタックがよく決まっていました。昨シーズンは石川しか点が取れないという状況も少なくなかったので、今シーズンの補強がうまいとこ当たったのかなと改めて感じさせられました。
特にめざましい活躍だったのがMVPにも選ばれたオポジットのレゲルス。伸びやかなジャンプで高い打点からキレのあるスパイクを次々と決めてくれていました。今年3会場で行われたパリ五輪予選全体のベストスコアラーとなった彼の真の実力がいかんなく発揮された試合となったのではないでしょうか。ポッロもしっかりと彼の高さを活かすセットを上げ続けていたので、レゲルスは水を得た魚のように生き生きとプレーできているように見えました。
元々オポジットのポジションはもうひとりのディルリッチ(クロアチア)がスタメンとして想定されていたと思います。今回はまだ捻挫した足の状態が万全じゃなかったため前の試合に続いてレゲルスがスタメンだったわけですが、こんなパフォーマンスを見せられるとオポジットのポジション争いは今後熾烈になりそうですね。
跳躍系オポジットは見ていて楽しいので頑張ってもらいたい。ちなみにレゲルスは日本代表の甲斐と同い年の若干二十歳の選手です。めちゃ若いです。
チヴィタノーヴァは途中リードする場面もありましたが、終盤で走られて1セットも取り切れず終わってしまいました。でも3セット目の、昨シーズン僕のインタビューにも答えてくれて個人的にちょっと応援しているOHボットロのサービスエースには痺れました。他のチームではスタメンで出られる実力がありながらなかなか試合に出してもらえないのがもどかしいですが、なんとか活躍してほしいと願っています。過去に石川・髙橋両選手とチームメイトでした。
さてミラノの次なる相手は強豪トレンティーノ。カジースキにとっては古巣対決となるわけですが、ポッロが戻ったミラノならば十分に勝ち星を狙えます。サーブでガンガン攻められるか、また211cmのOHミケレットと185cmのポッロのマッチアップに対応していくかがカギになるかなと思います!!
フォルツァ・ミラノ!!
Photo: Powervolleymilano
月刊バレーボール最新号が半額以下で読める↓↓↓