イタリア男子バレーボールリーグセリエA、石川祐希所属ミラノはチヴィタノーヴァとのプレーオフ準決勝第4戦を現地時間4月22日(土)にホームで戦い、2-3(25-23, 25-18, 19-25, 22-25, 7-15)で敗れました。
石川祐希はこの試合スタメンで出場し、チーム最多の23得点の活躍でした。
第1セットスタメン
ミラノ
OH:メルガレホ(キューバ)、石川
MB:ロセル(アルゼンチン)、ピアノ(イタリア)
OP:パトリィ(フランス)
S:ポッロ(イタリア)
L:ペサレージ(イタリア)
チヴィタノーヴァ
OH:ニコロフ(ブルガリア)、ヤント(キューバ)
MB:シネニエゼ(フランス)、アンザーニ(イタリア)
OP:ザイツェフ(イタリア)
S:デチェッコ(アルゼンチン)
L:バラーゾ(イタリア)
※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ
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試合レポート
第1セット、序盤はお互いにセットを散らして色んなアタッカーで得点を重ねるも、石川のスパイクなどでミラノが7-5とリードします。
さらに中盤にロセルのアタックや石川のブロックで16-11とミラノが更に点差を広げます。
チヴィタノーヴァもそこからザイツェフやニコロフのスパイクでじわじわとブレイクを重ねていき、終盤で23-23と同点に追いつきます。
しかし最後はメルガレホのスパイク、さらにピアノのブロックが決まったミラノが25-23でこのセットを取ります。
第2セット、序盤から石川が怒涛の4連続サービスエースを決めると更にロセルにもサービスエースが出て7-2とミラノが一気に抜け出します。
チヴィタノーヴァもシネニエゼのサーブやニコロフのスパイクで8-6と点差を縮めますが、ピアノの連続ブロックなどで12-6とミラノが再び点差を広げます。
その後もチヴィタノーヴァがザイツェフのスパイクなどでブレイクを奪いますが、ミラノもパトリィのサービスエースなどでブレイクして19-113と点差を縮めさせません。
そして最後は石川とロセルのスパイクが続けて決まり、25-18でこのセットもミラノが取ります。
第3セット、ミラノが石川とロセルのサービスエースなどで6-3と再び序盤からリードを広げます。
しかし今度はシネニエゼとデチェッコのサービスエースで7-8とチヴィタノーヴァが逆転すると、さらにニコロフの連続スパイクなどで13-16と点差を広げます。
その後もザイツェフのアタックやヤントのブロックでチヴィタノーヴァが連続ブレイクを決め、最後はニコロフのサービスエースで19-25としてこのセットをチヴィタノーヴァが取ります。
第4セット、出だしからお互いにブレイクをしつつ6-6と競った展開が続きますが、メルガレホのサービスエースや石川のスパイクなどでミラノが11-8と先に抜け出します。
しかしヤントが連続でアタックを決めて14-14とチヴィタノーヴァが同点に追いつくと、そこからまたサイドアウトを取り合う競った展開となります。
終盤でポッロがヤントをブロックで止めて21-19とミラノの2点リードとなりますが、石川がアンザーニに止められて21-21と再度同点となります。
さらにザイツェフのスパイクとアンザーニのブロックでチヴィタノーヴァが連続ブレイクを決めて22-24とすると、最後はヤントのサービスエースが決まって22-25でこのセットをチヴィタノーヴァが取ります。
第5セット、序盤からザイツェフのスパイクやサービスエース、シネニエゼのブロックで得点を重ねたチヴィタノーヴァが2-5とリードします。
ミラノも石川とメルガレホでサイドアウトを取るもブレイクを取れず、逆にアンザーニの連続ブロックやヤントのスパイクでチヴィタノーヴァが4連続ブレイクを決めて5-12と点差を広げます。
そしてヤントのサービスエースで6-14とチヴィタノーヴァがマッチポイントを握ると、最後はピアノのサーブがミスとなり7-15でチヴィタノーヴァがこのセットを取ります。
結果ミラノは2-3でチヴィタノーヴァに敗れました。
MVP:OHマーロン・ヤント(26得点(うちサーブ3、ブロック2)、アタック決定率70%、サーブレシーブ成功率38%)
石川祐希はチーム最多の23得点(うちサーブ6、ブロック2)、アタック決定率48%、サーブレシーブ成功率41%)の活躍でした。
これでミラノは準決勝通算成績を2勝2敗とし、次の第5戦の勝者が決勝に進むことになります。
プレーオフ準決勝第5戦は現地時間4月25日(火)18:00(日本時間翌1:00)からアウェイのチヴィタノーヴァで行われます。
試合の感想など
ミラノ、2-0からのまさかの逆転負け・・・。
いやでもこういう逆転劇があるからバレーボールって、セットスポーツって面白いんですよ。
1、2セット目は満員の5000人超の大声援にも後押しされてノリノリのミラノでした。
第1セットは25-23と点差こそわずかでしたがチヴィタノーヴァに一度もリードされなかったですし、第2セットなんかは石川の鬼の4連続サービスエースをはじめ計6本のサービスエースで圧倒して危なげなく奪取。
3セット目の出だしもよかったですが、相手のフローターサーブでエースを取られてから流れがチヴィタノーヴァに傾き、結果そのまま3セット連続で奪われての逆転負けとなりました。
特に3セット目以降のチヴィタノーヴァはヤントの活躍がとても目立ちましたが、試合全体を通してミラノ、特に石川がチヴィタノーヴァのジャンプフローターサーブにかなり苦しんでいました。
1セット目はチヴィタノーヴァのサーブミスが多かったこと、2セット目はミラノの大量のサービスエースがあったことであまり目立ってはいませんでしたが、試合の序盤からすでに返球率は良くなかったと思います。
それが3セット目以降一気に露呈し、直接的な失点はそれほど多くはなかったですが、ミラノの攻撃の選択肢が奪われて3セット目以降被ブロックが増えた原因になったと思います。
特に第3戦でMVPを取ったロセルが前衛のときに彼のクイックが使えるようないいパスを返球できなかったのは大きかったのではないかと思います。
実際第3戦のロセルは3セットで12本のアタックを打っていたのに対し、今回の第4戦ではフルセットになったにも関わらず第3戦と同じ12本のみでした(更に決定率も落ちました)。
その代わりにピアノのクイックの本数が増えましたが、試合が進むにつれいい状態で打つことが少なくなり決定率が下がりました。
またパイプ攻撃に関しても多くの場面で潰されていたと思います。
あとこの試合はリバウンドから粘ってラリーを制すといったミラノのよさ、ミラノらしいプレーが少なかったようにも感じました。
逆に言えば攻め急いだ感が強かったですね。
4セット目終盤の石川の被ブロックや5セット目のパトリィの被ブロックがそんな印象を受けました。
おい、パトリィよ。
せっかくここまで調子よかったのにまた試合後半は全然決まらなくなってしまったね。
この試合はサイド3人で一番少ないアタック本数。
やっぱりパトリィが活躍しなければ上には上がれないのよ。
頑張れパトリィ!!
先に2勝してさらに2セット取って、「決勝」が見え始めてしまったところで足元をすくわれた形になってしまったミラノ。
結果2勝2敗となってチヴィタノーヴァでの第5戦に進むことになってしまいましたが、これでまた気持ちを切り替えて、改めて昨季王者のチヴィタノーヴァを潰しに行くチャレンジャーとして、全力でぶつかってほしいと思います。
写真:LegaPallavoloSerieA