ポーランド男子バレーボールリーグ(プルスリーガ)第23節、宮浦健人所属でリーグ9位のニサは現地時間2月4日(土)にホームで同8位のルブリンと対戦し、3-0(25-21, 25‐18, 25-23)で勝利しました。
宮浦健人は2、3セット目にリリーフサーバーで出場しました。
第1セットスタメン
ニサ
OH:ゲルジョット(ポーランド)、クファソフスキ(ポーランド)
MB:ヤンコフスキ(ポーランド)、ゼルバ(アルゼンチン)
OP:ベンタラ(チュニジア)
S:ズコウスキ(クロアチア)
L:デムビエツ(ポーランド)/ ビニエク(ポーランド)
ルブリン
OH:シェルシェン(ポーランド)、ヴォダルチク(ポーランド)
MB:ノヴァコフスキ(ポーランド)、ジェンドリック(アメリカ)
OP:ロマチ(ポーランド)
S:コメンダ(ポーランド)
L:ワッテン(アメリカ)
※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ
この試合のスタッツはこちら
試合レポート
第1セット、試合開始早々にOPベンタラがサービスエースを決めると、その後も彼のアタックとブロックなどで得点してニサが6-3とリードします。
そこから中盤にかけては両者ミドルも上手く絡めながらサイドアウトを繰り返します。
15-13の場面からOPベンタラが再びサービスエースを決め、続くOHクファソフスキにもエースが出て19-14とニサが点差を広げます。
終盤Sコメンダのサーブからルブリンにブロック得点を許して22-20と2点差まで詰め寄られますが、最後はリリーフサーバーOHエルグラオウイ(モロッコ)のサーブからOPベンタラがスパイクを決めきって25-21でニサがこのセットを取ります。
第2セット、このセットも出だしからOPベンタラのサーブが走り、SズコウスキのブロックやOHクファソフスキのダイレクトスパイクが決まって5-0と一気に点差を広げます。
ルブリンもOHシェルシェンのサーブからサービスエースを含む3連続ブレイクで11-10と1点差まで詰め寄りますが、そこからOPベンタラのスパイクやエース、MBゼルバのスパイクやブロック、Sズコウスキのエースなどで得点を重ねたニサが21-15と再び点差を広げます。
終盤はリリーフサーバーOP宮浦のサーブからブレイクして24-18とセットポイントを掴むと、最後は宮浦の事実上のサービスエースで25-18としてこのセットもニサが取ります。
第3セット、ニサはMBゼルバのところにスタートでOP宮浦を起用して出だしからサーブを任せます。
そのサーブ惜はしくもネットにかかり、そこから序盤はサイドアウトが繰り返されますが、MBジェンドリックのスパイクやOHシェルシェンのサービスエースで得点を重ねたルブリンが8-10と抜け出します。
しかし中盤またしてもOPベンタラのサーブからニサがブレイクをあげると、さらにOHクファソフスキにエースが出て18-17と逆転に成功。
そこからニサのOHゲルジョット、ルブリンのOHヴォダルチクとの打ち合いによる拮抗した展開が続きましすが、終盤ニサに続けてブロックポイントが出て23-21と抜け出すと、最後はOHクファソフスキのスパイクが決まって25-23でニサがこのセット取り、3-0でルブリンに勝利しました。
MVP:OPワシム・ベンタラ(18得点(うちサーブ3、ブロック3)、アタック決定率57%)
宮浦は2、3セット目に出場し、得点はなかったもののサーブで2ブレイクの活躍でした。
これでニサは通算12勝11敗37ポイントとし、8位に順位を戻しました。
次節は現地時間2月12日(日)14:45(日本時間22:45)から、アウェイで同3位のザビエルチェと対戦します。
前半戦のレポートはこちら↓
試合の感想など
この日は現地で見ていましたが、ニサらしい素晴らしい試合が見れたと思います。
とにかくサーブで攻める、攻める、攻めまくる。
ゲルジョットが相手のサーブで崩されたりエースを取られようとも、それ以上にサーブで殴りまくる。
前半戦でルブリンに敗れたときには相手のミドルにかなり苦しめられていたので、サーブで殴って相手のミドル攻撃を潰せたのもとても大きな勝因だったんじゃないかと思います。
特にベンタラとクファソフスキの並びで一気に点差を広げることに成功してましたね。
1、2セットはどちらのベンタラのサーブから始まるようなローテーションにしていて、その作戦が見事にハマった形となっていました。
第3セットは、2セット目の終盤でいいサーブを打っていた宮浦のサーブから始めて、宮浦→ベンタラ→クファソフスキとこの3人のサーブで一気に走りたかったところでしたが、1本目で宮浦のサーブがミスになって流れがつかめずにあとの2人も1周目はブレイクが取れず、3セット目序盤はやや苦しい展開となってしまいました。
この先にリリーフサーバーにサーブを打たせて前衛に上がってきたときに本来のミドルと交代させる戦術は、最後にまた交代させることでセットの最初と最後に2度リリーフサーバーにサーブを打たせることができる点で優れた戦術です。
実際に東京五輪のポーランド代表、世界選手権のフランス代表、あと鈴木悠二がいたころの東レでも採用されていました。
ただうえ3つのチームはすべてミドル同士の交代だったので、仮に2度の交代が終わって後にデュースになってセットが続いてもそのまま前衛に上がってもミドルとしてプレーできるので問題なかったのです。
しかし今回のニサの場合はオポジットとミドルだったので、本来であれば終盤にまた宮浦に戻してサーブを打たせたいところでしたが、点差が小さくデュースになる可能性もあったので終盤に宮浦の出番はありませんでした。
それを承知の上で2セット目のいい流れをそのまま持っていきたいという監督の意図があり、結果的にうまくいきませんでしたが、個人的には「面白いするな~」と思って見ていました。
嫌いじゃないです(笑)。
ちなみにこの作戦は2セット目終わったあとに急きょ伝えられたみたいで、宮浦本人も驚いたと言ってました(笑)。
あとサーブに関して言えば、前半戦はゲルジョットも毎試合エースを決めてくれてましたが、やっぱりまだ彼のサーブが戻っていなくて心配ですね。
ゲルジョットのサーブも乗ってくると上位チームを食える可能性が一気に高まりますから。
またオポジットのベンタラはサーブのみならずスパイクでも非常に安定していました。
このパフォーマンスを見せられてしまうと、残念ながら宮浦のスパイカーとしての出番は厳しいと言わざるを得ないですね…。
このベンタラ、来シーズンはイタリアのビッグクラブ(ペルージャ?)に移籍するといううわさが立っているので、これからますますトップ選手街道を行くことになると思います。
宮浦には出場機会がない中でも、この世界トップレベルのオポジットから盗めるものをバンバン盗んで今後の糧にしていってほしいなと思います。
あとこの試合は宮浦のパスのお相手でもあるMBゼルバにもよくボールが集まってよく決めていました。
セッターのズコウスキはミドルの打数が少ないことがネックでしたが、最近は意識的にかミドルへの配球が増えたように感じます。
ただまだセットが安定しておらず、この試合でもよくセットが低すぎてしまってミドルが打ちきれない状況になっていましたが、それでもバンバン使っていって修正していけてたのがよかったです!
あとズコウスキは3セット目のふわっと落とすツーアタックがおしゃれでした(笑)。
またルブリンに関してはOHヴォダルチクがスパイク決定率63%と、スパイクだけに関してはOPベンタラを上回る数字を残していて印象深かったです。
彼は来季ニサに移籍するといううわさも出てますから、また来季のニサも面白くなりそうです!
とりあえず今回見事にルブリンに前半戦のリベンジを果たすことができたニサ。
来週も前半戦でけっこうボロボロにやられたザビエルチェとの対戦となるので、ここでもリベンジを果たしてプレーオフに少しでも上位で進出したい!
そして宮浦のアタックを見れたらなおよし!!
頑張れニサ!!!
写真:PSG Stal Nysa