ポーランド男子バレーボールリーグ(プルスリーガ)準々決勝第3戦、宮浦健人所属のニサは現地時間4月14日(金)にホームでジェシュフと対戦し、1-3(26-24, 19-25, 20-25, 18-25)で敗れて準々決勝敗退が決まりました。
宮浦健人は各セット途中出場し、スパイクで3得点をあげました。
第1セットスタメン
ニサ
OH:エルグラオウイ(モロッコ)、クファソフスキ(ポーランド)
MB:ヤンコフスキ(ポーランド)、ゼルバ(アルゼンチン)
OP:ベンタラ(チュニジア)
S:シュチュレク(ポーランド)
L:ビニエク(ポーランド)
ジェシュフ
OH:チェブイ(スロヴェニア)、デファルコ(アメリカ)
MB:コザメルニク(スロヴェニア)、コハノフスキ(ポーランド)
OP:ムザイ(ポーランド)
S:ジズガ(ポーランド)
L:ザトルスキ(ポーランド)
※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ
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試合レポート
ニサはこの試合にジェシュフで行われた2試合とは違うスタメンで臨みました。
第1セット序盤は競った展開となり、ニサはベンタラ、ジェシュフはムザイを中心に得点を重ねて11-11まで進みます。
その後コザメルニクのサーブからエースを含む4連続ブレイクで11-15とジェシュフが抜け出すと、さらにコハノフスキのブロックで12-17と点差を広げます。
ニサもエルグラオウイとベンタラのサービスエースなどで18-19と1点差まで迫りますが、コハノフスキのスパイクで22-24とジェシュフが先にセットポイントを奪います。
しかし直後にニサがベンタラのスパイクでサイドアウトを取って23-24とすると、そのベンタラがムザイを連続ブロックで仕留めて25-24と逆にニサがセットポイントを握ります。
そして最後はエルグラオウイがこのセット3本目のサービスエースを決めて、26-24でニサがこのセットを取ります。
第2セット、序盤からジズガ、デファルコ、チェブイにそれぞれサービスエースが出て、ジェシュフが5-8とリードします。
その後もコザメルニクのサービスエースやデファルコのアタックなどでジェシュフがブレイクを重ねて12-17と点差を広げます。
ニサもゼルバの連続アタックで17-20と少し点差を縮めますが、終盤にもムザイのサービスエースが決まってジェシュフが18-23と点差を戻します。
最後はデファルコのスパイクが決まり19-25でこのセットをジェシュフが取ります。
第3セット、ジェシュフがデファルコとチェブイのブロックで2-4とリードしますが、ニサもベンタラのスパイクやクファソフスキのサービスエースで6-6と同点に追いつきます。
しかしチェブイのサーブから2ブレイク、ジズガのサーブから3ブレイクとニサのサーブレシーブの乱れからジェシュフが連続得点を決めて8-15となります。
ニサは終盤にエルグラオウイのサーブからブレイクを決めて18-22とやや点差を縮めますが、最後もコハノフスキにサービスエースを決められて20-25でこのセットもジェシュフが取ります。
第4セット、今度は序盤でデファルコが2本のサービスエースを決めるなどして3-8とジェシュフがリードします。
ニサも3セット目途中から入ったクラムチィンスキ(MB、ポーランド)のブロックやエルグラオウイのサービスエースで9-12と点差を縮めますが、コハノフスキのブロックやデファルコのサービスエースで11-18と再度点差を広げられます。
ニサは最後の望みを託して宮浦(OP)、ズコウスキ(S、クロアチア)、ブシェク(OH、ポーランド)の3人を投入。
宮浦が高い決定率で続けてスパイクを決めますが、ジェシュフがムザイとチェブイのサービスエースで15-23と点差を縮めさせません。
そしてそのまま最後は2枚替えで入ったブツキ(OP、ポーランド)のスパイクが決まって18-25でこのセットをジェシュフが取ります。
結果、ニサが1-3でジェシュフに敗れ、通算0勝3敗で準々決勝敗退が決まりました。
MVP:OHトーリー・デファルコ(20得点(うちサーブ4、ブロック3)、アタック決定率65%、サーブレシーブ成功率58%)
宮浦健人は1~3セット目はリリーフサーバーで、4セット目はスパイカーとして途中出場し、3得点、アタック決定率100%の活躍でした。
次は現地時間4月21日(金)20:30(日本時間翌3:30)からホームで7-8位順位戦が行われます(対戦相手未定)。
試合の感想など
この試合は現地で観戦しました。
天気はあいにくの雨でしたが、ニサのアリーナはクラブとして20年ぶりのプレーオフのホームゲームにはほぼ満席となる2500人弱のお客さんで埋め尽くされていました。
試合はボロボロに敗れたアウェイでの2試合からOHゲルジョット、Sズコウスキ、Lデムビエツがスタメンから外れて、OHエルグラオウイ、Sシュチュレク、Lビニエクが起用されました。
1セット目はその選手起用が功を奏して、サーブレシーブで大崩れすることなくジェシュフと最後まで互角に渡り合い、最後は相手にセットポイントを取られてからのエルグラオウイのサーブで3連続ブレイクで先取。
第1、第2戦ではジェシュフされていた終盤での連続ブレイクでの逆転劇を逆にこの試合でやり返すことができ、「今日はもしかしたらいけるかも」という雰囲気が会場全体を包んでいるかのように感じられました。
しかし2セット目以降はいつものようにサーブで攻め立てられてボロボロに…。
終始ジェシュフのペースのままあっさりと3セット続けて奪われての逆転負けとなってしまいました。
まあニサらしいと言えばニサらしいですが。
ジェシュフはスタメンの6人中5人がサービスエースを取っていて、しかも全員2本以上。
またエースがなかったジズガもブレイクをかなりあげていました。
やはり強かったのはアウトサイドのデファルコ。
もう一人のアウトサイドのチェブイとオポジットのムザイは試合を通してずっと調子がいいということはあまりないのですが、デファルコは攻守ともに安定感抜群。
2セット目以降ジェシュフがちょっと傾きそうなときにもデファルコがしっかりと点を取って流れをニサに渡してくれませんでした。
ニサはサーブレシーブがよくないのはわかっているので、それ以上にサーブで相手を崩しにかからなければいけなかったんですが、この日はエルグラオウイ以外の選手にサーブで当たりが出ませんでしたね。
ベンタラもクファソフスキも4セットでエースは1本のみ、宮浦にもエースは出ませんでした。
しかし宮浦、4セット目の終盤ではスパイカーとして3得点、アタック決定率100%のすばらしい活躍をみせてくれました!!
特にそのスパイクのパワーをこの試合では改めて感じました。
力強いスパイク音もさることながら相手ブロックを弾いたり、相手レシーバーを弾いたり。
やっぱり伊達に身体がデカくなったわけじゃないですね!!(笑)
今シーズンは出場機会が本当に限られた中で、本人としてもフラストレーションがたまることもあったと思うんですが、こうしてチャンスを掴んだときにしっかりと活躍してくれる姿を見るとうれしいです。
なんだかんだで今シーズンはイタリアを含めたどのチームよりもニサの試合を現地で一番見ていて、宮浦くんとも話す機会がとても多かったので、もうなんだかファンとかライターとか通り越して友達として応援しているような感覚になっちゃっているんですよね(笑)。
それくらい選手としてだけでなく人としても魅力ある人物であることを直に知ったので。
今後とも引き続き応援していきたいと思います!!
結果的にニサは準決勝に進むことはできなかったものの、クラブ関係者やファンの人たちからするとプレーオフに行けただけでも大成功のようでした。
やっぱり20シーズンぶりのベスト8でしたし、昨シーズンは最下位で入替戦をなんとか勝ち切ったというところからの大躍進だったこともあったので、そう考えると彼らがこの結果に満足しているのはうなずけます。
他のベスト8のクラブと比較しても選手が揃っているわけでもなかったですしね(特に守備面(笑))。
でもまだ今シーズンはこれで終わりではありません。
あと7~8位を決める順位戦がホームアウェイで2試合残っています。
シーズン最終戦はまた現地で観戦するので、そのときにまたスパイカー宮浦の活躍が見られることを願います!!!
写真:PZPL、筆者撮影