イタリア男子バレーボールリーグ後半第4節、石川祐希所属のミラノは現地時間1月21日(日)にチヴィタノーヴァと対戦し、2-3(19-25, 25-27, 25-22, 25-15, 12-15)で敗れた。石川祐希は先発出場し19得点の活躍だった。
第1セットスタメン
ミラノ
OH:メルガレホ(キューバ)、石川
MB:ヴィテッリ(イタリア)、ロセル(アルゼンチン)
OP:レゲルス(ベルギー)
S:ポッロ(イタリア)
L:カターニャ(イタリア)
チヴィタノーヴァ
OH:ザイツェフ(イタリア)、ニコロフ(イタリア)
MB:シネニエゼ(フランス)、アンザーニ(イタリア)
OP:ラグンジア(トルコ)
S:デチェッコ(アルゼンチン)
L:バラソ(イタリア)
※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ
試合レポート
第1セット、序盤はチヴィタノーヴァのOPラグンジアを中心に得点を重ねるが、サーブミスが多くブレイクを取れないまま10-10と試合が進む。しかしOHニコロフのサービスエースなどで11-14とブレイクを決めてチヴィタノーヴァが抜け出すと、さらにOPラグンジアのスパイクなどで14-19と点差を広げる。ミラノもSポッロのブロックなどで17-19と点差を縮めるも、最後は途中出場のOHヤント(キューバ)のスパイクが決まり19-25でこのセットをチヴィタノーヴァが取る。
第2セット、OH石川のサービスエースなどで4-2とミラノが先行するも、MBシネニエゼのブロックやサービスエースで5-6とチヴィタノーヴァがすぐに逆転する。その後ミラノがOH石川のパイプ攻撃で12-10また抜け出すと、さらに途中出場のMBピアノ(イタリア)のブロックなどで3連続ブレイクを決めて18-13と点差を広げる。しかしOHザイツェフのスパイクやサービスエースで18-16と点差を縮めると、さらに終盤で途中出場のOHボットロ(イタリア)のブロックなどで23-24と逆転でチヴィタノーヴァがセットポイントを握る。最後はSポッロがタッチネットをしてしまい、25-27でこのセットをチヴィタノーヴァが取る。
第3セット、ミラノはこのセットからOHカジースキ(ブルガリア)とMBピアノをスタートから起用。序盤はOH石川のスパイクやOHカジースキのサービスエースなどで7-4とミラノがリードする。その後チヴィタノーヴァもMBシネニエゼのスパイクやサービスエースで得点を重ねて7-7と同点に追いつく。しかしOH石川のサービスエースやOHカジースキのスパイクで13-11とまたミラノが前に出る。さらに石川の連続ティップなどでミラノがブレイクを重ねて19-15と点差を広げると、そのまま最後は相手のミスで25-22としてこのセットをミラノが取る。
第4セット、序盤からOHカジースキのサーブからがサービスエース3本を含む6連続ブレイクを決めて8-2とミラノが大きくリードする。その後もSポッロのブロックやOH石川、OPレゲルスのスパイクで14-6と点差を広げる。終盤にもMBロセルの連続ブロックで22-13とすると、最後はOHヤントのアタックがミスになり25-15でこのセットをミラノが取る。
第5セット、序盤はOHボットロのスパイクなどで4-6とチヴィタノーヴァが先行する。そこからOH石川のサービスエースやパイプ攻撃で7-6とミラノが逆転する。しかしOPラグンジアのサービスエースなどで9-11とチヴィタノーヴァが再び前に出ると、その後MBシネニエゼのスパイクでしっかりサイドアウトを取る。最後はOHボットロが連続してスパイクを決めて12-15でこのセットをチヴィタノーヴァが取り切る。
この結果2-3でミラノはチヴィタノーヴァに敗れた。
MVP:MBバルテレメイ・シネニエゼ 17得点(うちサーブ2、ブロック2) アタック効果率72.22%
OH石川祐希 19得点(うちサーブ2、ブロック1) アタック効果率26.19%
これでミラノは通算成績8勝7敗26ポイントとし5位を維持。
次回は日本時間1月24日(水)28時30分からトレンティーノと対戦する。
イタリアリーグHP: https://www.legavolley.it/
配信(VBTV、有料): https://www.volleyballworld.tv/home
トシキのコメント
3、4セット目の追い上げはすごかったですけど、第5セットは力負けしてしまったミラノ。
選手のコンディションなどを考えて、ふだんスタメンではないOHメルガレホとMBヴィテッリをスタメンで起用しましたが、例え最初からOHカジースキとMBピアノでスタートしていたとしても、この日のチヴィタノーヴァを倒すのは難しかったかもしれません。
とにかくMVPを取ったシネニエゼがすばらしい活躍でした。スパイクでは高い決定力でチームに確実にサイドアウトを引き寄せました。上の写真を見てもらうとわかるんですが、身体の反りがすごすぎます。この幅で打たれたらブロックが2枚ついてもなかなか対応が難しいです。
身体を反らせて打つミドルブロッカーの代表格としてはソレ(アルゼンチン、現ペルージャ)が上げられますが、シネニエゼはもうソレを超えてきてるじゃないかと思います。
もちろんブロックとサーブもすばらしかった。特にサーブの存在感はすごかったですね。
あと個人的にうれしかったのがボットロの活躍。イタリアA代表メンバーでありながら、ここ数シーズンはチーム内競争が激しいチヴィタノーヴァでなかなか出場機会に恵まれていませんでした。今季も基本アウトサイドヒッターの4番手でアウトサイドヒッターの中では一番コートに立つ時間が少なかったです。
そんな中この試合ではスパイクとブロックで存在感を発揮。第2セットの窮地を救ったのは彼でしたし、第5セットのマッチポイントを決めきったのもボットロでした。
これまで何回かインタビューもさせてもらってとても好印象でしたし、ワンピース好きというところで親近感が爆上がりしている選手なので、なんとか今後もチャンスを掴んで出場機会を増やしていってほしいなと思います。
そのボットロが「師匠」とあがめるのが石川。
試合に敗れはしたものの、石川は個人のパフォーマンスはとてもよかったように思います。アタック効果率こそやや低めでしたが、軟打がうまく決まっていましたし、サーブレシーブも失点ゼロでした。
スパイクに関してはミラノ全体としてチヴィタノーヴァのブロックにかなりタッチを取られてしまっていたのでそれが決定率の低さに影響したと思います。
ミラノもモンツァと同様に来週末にコッパイタリアを控えていますが、その前にトレンティーノという強敵とのリーグ戦もあります。ハードな日々が続きますが、コンディションを万全にしてコッパイタリアを迎えてほしいなと思います。
Photo: volleyball.it
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