試合レポート

【解説】パリ五輪女子バレー日本対ケニア:古賀紗理那、有終の美

パリ五輪予選プールB、バレーボール日本代表は現地時間8月3日(土)にケニアと対戦し3-0(25-17, 25-22, 25-12)で勝利した。

スターティングメンバー

ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ

カッコ内は得点

日本

OH:古賀(16)、石川(12)
MB:山田(6)、荒木(2)
OP:林(9)
S:岩崎(2)
L:小島、福留

途中出場:MB宮部(4)、OP和田(2)、OH井上(1)、S関

ケニア

OH:オルオチ(17)、ナムティラ(3)
MB:バラサ(11)、アトゥカ(6)
OP:オウィノ(2)
S:ムティンダ(2)
L:クンドゥ

途中出場:OPシミユ(2)、OHカサヤ(1)、Sミソキ、MBカエイ

試合レポート

第1セット

序盤で日本はS岩﨑のサーブから2本のエースを含む5連続得点で8-1と一気にリードする。その後ケニアがクイック攻撃でサイドアウトを切っていくも、日本はOH古賀やOH石川のスパイクでブレイクを重ねて17-9と点差を広げる。終盤でもOH石川のスパイクや相手のミスでブレイクし23-15とすると、最後は途中出場のMB宮部が続けてスパイクを決めて25-17でこのセットを日本が取る。

第2セット

出だしはSオウィノのサービスエースで0-2とケニアが前に出る。そこからOP林のサービスエースやOH古賀、OH石川のスパイクなどで連続得点を決めて日本が10-6と逆転するも、MBオルオチのブロックや日本のミスなどで11-12と再度ケニアにリードを許す。しかしOH古賀やOH石川のスパイクで得点を重ねて20-18とまた日本が前に出ると、最後はOH古賀が続けてスパイクを決めて25-22でこのセットも日本が取る。

第3セット

日本はS関とMB宮部をスタートから起用。序盤からMB山田のブロックやOP林のスパイク、ケニアのミスで8-1と日本がリードする。さらに中盤にもOH古賀のスパイクやケニアの連続ミスで日本が連続得点を決めて20-8と点差を大きく広げる。その後もMB山田のブロックや途中出場のOP和田のスパイクなどで得点を重ねて24-11とマッチポイントを迎えると、最後もケニアにセンターラインの踏み越しのミスが出て25-12で日本がこのセットを取る。

この結果日本は3-0でにケニアに勝利した。

TOSHIKI’S MVP

日本:OH古賀紗理那

16得点(うちブロック1、サーブ1)、アタック効果率38.71%

チーム最多得点でストレート勝利に大きく貢献。特に終盤まで競った第2セットでは1人で9得点を挙げてケニアの猛追を阻止した。またパリ五輪後の引退を発表した古賀にとってはこれが現役最後の試合となった。試合中は笑顔で、そして試合後は涙の彼女の姿に胸を打たれた。

ケニア:MBバラサ

11得点(うちブロック2)、アタック効果率50%

高さとパワーのあるスパイクを次々と打ち込んで日本を苦しめたミドルブロッカー。ブロックでも2得点を挙げて存在感を見せた。ケニアのレシーブがもっと良くて彼女にもっと打数を打たれていたら日本は危なかっただろう。対格のMBアトゥカの決定率も非常に高く日本はほとんど対応できなかった。

結果的にパリ五輪で日本と戦ったチームのMVPに僕が選んだのは全員ミドルブロッカーだった。それほどに高さのあるブロックとクイックは日本にとっての脅威であったことは間違いない。特に相手のクイック攻撃へのディフェンスについては日本の男女共通の課題である。

解説

ケニアは身体能力が高い選手が揃っていたが、荒削りな部分が多かった。

1セット目は日本がS岩﨑のショートサーブなどで揺さぶりをかけたり、アタックでもOP林らがフェイントを上手く使ってケニアの荒い部分を上手くついて得点を重ねた。日本はOH石川がこのセット最多の5点を挙げた。

ケニアはミドルブロッカーのスパイクが高い決定率を残したが、一方でミスによる失点も少なくなく得点のチャンスを逃した。

しかし第2セットはケニアのミスが減ってサーブレシーブも改善。攻撃面ではOHオルオチが高い決定力で得点し続けひとりで8得点をマークした。またサーブでもSムティンダが2本のエースを決めた。

このため中盤はケニアにリードを許した日本だったが、途中出場のS関がOH古賀にトスを多く託し、OH古賀もそれに応えて得点を重ねて状況を打開することに成功した。

第3セットはケニアの集中力が切れ、アタックだけで11失点とミスを連発してほとんど自滅のような形で終わった。あとMB山田の3本のブロックも効いた。

結果的に3-0で勝利した日本だったが、ケニアの選手も高い能力を見せた。ただ3セットでミスによる失点が21点(日本は7点)と多すぎたので、これが改善されるともっと世界を戦えるようになるだろう。

そして勝利した日本も予選敗退となった。

今年のネーションズリーグで史上初の銀メダルと獲得して、その勢いのままに挑んだ今回のパリ五輪であったが、蓋を開けてみるとネーションズリーグの後にさらにチーム力を増したライバルたちと互角に勝負できずに終わってしまった。

今回も東京五輪同様に予選プール敗退という悔しい結果となってしまったが、今回の反省を活かしてまた強い日本女子が復活することを期待したい。

また繰り返すが長年日本女子代表を支えてきた古賀紗理那はこの試合をもって現役引退となった。リオ五輪は落選、東京とパリは予選プール敗退とオリンピックで結果を残すことはできなかったが、最後までコート上で笑顔で戦う姿はとてもかっこよかった。

本当にお疲れ様でした。

プールB順位表(8月3日終了時点)

1位 ブラジル★ 2勝0敗 6ポイント 6/0
2位 ポーランド★ 2勝0敗 6ポイント 6/1
3位 日本 1勝2敗 3ポイント 4/6
4位 ケニア 0勝3敗 0ポイント 0/9

★準々決勝進出確定

日本はプール予選敗退

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[配信日時]

7月27日(土)午後5時 男子#1 男子#2
8月 3日(土)午後5時 女子#1
8月10日(土)午後5時 女子#2
8月24日(土)午後5時 男子#3
8月31日(土)午後5時 女子#3
9月 7日(土)午後5時 男子#4
9月14日(土)午後5時 女子#4

(TBSテレビリリースより引用)

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写真:Volleyball World

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