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ポーランドの”スーパーコッパ”もフルセットの激闘だった

2024年9月28日

先週末にイタリアで行われたスーパーコッパはフルセットの末にペルージャが3連覇を達成して石川祐希がMVPに輝きました。

そして今週水曜日にはポーランドの”スーパーコッパ・イタリア”であるスーペルプハル・ポルスキが行われました。昨シーズンのリーグ覇者であるヤストシェンブスキとプハルポルスキ(ポーランド杯)優勝のザビエルチェとの決戦はイタリア同様にフルセットの激闘となりました。

両者一歩も譲らない展開が5セット目まで続き、15点を超えても2点差がつかずにデュースとなって一進一退の攻防となります。しかし最後はこの日チーム最多の19得点をあげていたヤストシェンブスキのOHフォルナル(ポーランド)のスパイクを、そのフォルナルと世代別代表で対角を組んでいたザビエルチェのOHクフォレクがブロック。

この結果、約3時間に及ぶ大熱戦は3-2(21-25, 25-21, 25-21, 19-25, 23-21)でザビエルチェの勝利に終わりました。

詳しいスタッツはこちら↓
https://www.plusliga.pl/spcup/id/5/gid/25.html#stats

ザビエルチェは初優勝。大会MVPは昨シーズンまでJTで活躍したOHラッセル(アメリカ)でした。

ただ個人的には両チーム最多29得点で4本のエースも決めたOPブトリン(ポーランド)にMVPをあげてやってもよかったかなと思ってしまいましたが(笑)、ザビエルチェ、本当におめでとう。

ザビエルチェは2017/18シーズンからポーランド1部リーグであるプルスリーガに昇格、昇格から3シーズンは現在東京グレートベアーズに所属するL古賀太一郎が所属していたクラブでもあります。そこからここまで一度も降格することなくトップリーグで戦い続け、昨シーズンに初のタイトルであるプハルポルスキを獲得。そして今年はまずスーペルプハルポルスキを手にし、完全にトップクラブのひとつとなったと言ってよいでしょう。

ただ面白いことに今回のザビエルチェのスタメンにパリ五輪銀メダルメンバーはひとりもいません。しかもイタリアよりも外国人枠がひとり少ない(イタリアリーグはリベロを含めた7人中4人だがポーランドは3人)にも関わらずです。

イタリアのスーパーコッパ決勝にスタメンで出ていたイタリア人選手6人中5人がパリ五輪イタリア代表であったのとは大きく異なります(ちなみに相手のヤストシェンブスキはポーランド人選手4人中3人がパリ五輪メンバーでした)。

またスーパーコッパは両チームともイタリア人セッターで外国人オポジットだったのに対し、スーペルプハルは両チームとも外国人セッターでポーランド人オポジットだったのも対照的です。

イタリアとポーランドは現在どちらも世界トップリーグと言われていますが、やはりそれぞれに特徴があり、今回の両リーグの同様の大会を見比べるだけでもいろいろ見えてくるものがあって面白いです。

特に優勝したザビエルチェというチームはよりポーランドのクラブらしさが出ているチームではないかと思います。リベロも外国のペリー(オーストラリア)だし、スタメンのアウトサイドヒッターは2人とも攻守に長けたバランス型。ちなみに監督はドイツ代表監督でもあるビニャルスキ(ポーランド)。

坊主(?)になってた…

昨シーズン石川が所属していたミラノはCEVカップでザビエルチェと対戦し完敗。その背景にはイタリアリーグにはいないタイプのチームだったからということが少なからず関係していたと思います。今シーズンは欧州チャンピオンズリーグでまたミラノとザビエルチェは対戦しますが、おそらくまたザビエルチェが勝つのではないかと思います。

日本人選手の多さと石川祐希や髙橋藍といった有名選手がプレーしている(していた)ことから日本では海外と言えばイタリアリーグが圧倒的に注目されています。

一方でポーランドリーグも、L古賀太一郎から始まり、OH柳田、S関田、OP宮浦、L高橋頌とコロナ真っ只中だった2020/21シーズンを除いてずっと日本人選手がプレーしていたのですが、今シーズンはまたそれがゼロになってしまいました。

個人的にはテクニック系外国人選手をより重宝してくれるポーランドリーグこそより日本人選手には合っていると思いますし、僕個人がポーランドリーグきっかけで海外バレーにはまったこともあるので、また日本人選手がポーランドでプレーしてくれる日を待ち望んでおります。

Photo: plusliga.pl

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