昨日1月12日(日)に行われたイタリアスーパーレガのトレント戦で石川祐希所属のペルージャが2-3(25-20, 20-25, 25-18, 21-25, 22-24)で敗れた。ペルージャは2024/25シーズンが始まって以来。ここまで公式戦無敗の24連勝中であったがその記録がついに途切れた。
試合はペルージャホームで行われた。リーグ1位と2位チームの直接対決ということもあり、会場は約5000人のファンで埋め尽くされチケットは今季初の完売となった。
1セット目は出だしこそトレントに連続得点を許したが、OHプロトニツキのサービスエースとMBロセルのブロックでペルージャがすぐに追いつく。その後もこの2人と、アタックが不調のOHセメニウクに代わって入ったOH石川らのアタックなどで得点を重ねてペルージャが25-20と先取。
2セット目はトレントがサーブとブロックでペルージャのアタック決定率を抑えて20-25でセットを取り返したが、3セット目はOH石川がサービスエースとスパイクで6得点をあげチームをけん引し、25-18でペルージャが危なげなくセットを取った。
しかし4セット目は再びトレントのサーブとブロックがペルージャを苦しめる。特にOHミケレットがこのセットだけで8得点をあげるなど大活躍。この試合でトレントはサーブターゲットをOHプロトニツキにしており、2セット目同様にこのセットもその狙いが上手くハマっていた。ペルージャはOHセメニウクやOPエレラを投入したが流れは変わらず21-25でこのセットをトレントが取ってファイナルセットへ。

5セット目、2連続ブロックで0-2とトレントが先行したが、OHプロトニツキのアタックやエースで9-8とペルージャが逆転する。その後OH石川がサーブレシーブ後に左足をけいれんさせOHセメニウクと交代となるも、そのOHセメニウクのアタックで14-12とペルージャが先にマッチポイントを握る。しかしOHプロトニツキのアタックミスで14-14と同点になりデュースに突入。
そこから今度はOHプロトニツキがサーブを打った後に右脚の痛みを訴えコートを去る。また不運にもこの時点で交代できるメンバーがセッターかミドルブロッカーのみとなっていたのでMBカンデラーロと交代。この結果ペルージャコートにはアウトサイドヒッターがひとりだけになってしまった(サーブレシーブにはMBロセルも参加)。
ペルージャは不利な状況ながらもサイドアウトを重ねて何度もマッチポイントを握ったがあと1点が出ず、逆に長いラリーからOHラヴィアがボールを押し込んでトレントが22-23とマッチポイントを握る。最後はOPエレラのスパイクがアウトになり22-24でトレントが2-3で激闘を制した。
ちなみに5セット目の試合時間は40分でリーグ新記録となったらしい。
負傷退場となってしまったOH石川だが、症状は軽く次の試合ではプレーできそうである。この試合はチーム2位の15得点(うちサーブ1得点)でチームを支えた。

一方チーム1位の17得点をあげていたOHプロトニツキの怪我は重く、しばらく復帰が難しそうな状態のようだ。ここまで好調を維持し、攻守に渡りチームを引っ張ってきた存在だっただけにチームに与える影響は大きいだろう。僕としても今季のペルージャメンバーで唯一個人的にユニフォームを持っているくらいに好きな選手であるので、一日でも早い回復を願っている。

ただ幸いなことに、ペルージャにはまだ石川とセメニウクというすばらしいアウトサイドヒッターがふたりいる。また今後しばらくは毎試合この2人がスタメンとなると思うので、不謹慎であるが彼らのファンにとっては推しのプレーが見られないという心配なく試合を見に行けることになるだろう。
しかしやはり今後チーム的に苦しくなってくることは間違いない。試合数が多い中でいかにこれ以上怪我人を増やさずかつ結果を出していくか、チームマネジメント力が問われる。
この試合MVPだったのはトレントのMBバルタ。クイック、ブロック、サーブでミドルブロッカーながらチーム2位の17得点をあげた。ルーマニア出身の選手で、昨季はディナモ・ブカレストで日本人セッターの山本龍と一緒にプレーしていた。ルーマニアリーグからイタリアリーグトップチームのスタメンは大出世である。

Photo: legavolley.it