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関菜々巳&福留慧美が戦う歴史的決勝!試合はコネリアーノがミラノに連勝し優勝に王手【イタリアバレー女子PO】

現地時間4月19日(土)イタリアセリエA女子PO決勝コネリアーノ(関菜々巳)対ミラノ(福留慧美所属)の第2戦が行われ、コネリアーノが3-0(25-22, 25-20, 25-18)でミラノに勝利した。コネリアーノはこれで決勝戦2連勝とし、リーグ優勝まであと1勝と王手をかけた。

この試合はミラノにある国内最大規模のアリーナ、ウニポル・フォーラムにて行われ、地元のチームを応援しようと、はたまたパリ五輪金メダルのイタリア代表メンバーを一目見ようと12000人を超える観客が試合を見守った。イタリアリーグ決勝では男女ともに試合前にイタリア国家斉唱が行われるが、この日は12000人による国歌斉唱は圧巻だった(個人的には途中から手拍子が始まって最後の「ヘイ!」までの流れが好き)。

イタリア国歌斉唱の様子

初めてのイタリアリーグで、しかも決勝で、しかも12000人を超える大観衆が詰めかける中だったが、関と福留両者ともどちらかというとこの環境を楽しむように笑顔でウォームアップしていたのが印象的だった。

試合はミラノのL福留はスタメン出場、コネリアーノのS関はベンチスタートとなった。

第1セット、MBダネージの連続ブロックなどで6−9とミラノがリード。しかし中盤にOPハークのスパイクなどでコネリアーノが3連続ブレイクを決めて14-13と逆転すると、さらにMBキリケッラのブロックやOHガビのスパイクなどで19-16と点差を広げる。ミラノはOPエゴヌのスパイクで得点するも、コネリアーノがOHジュのスパイクなどでサイドアウトをリードを保ち、最後はOHシッラのアタックミスで25-22でこのセットをコネリアーノが取る。

第2セット、序盤はOPエゴヌのブロックやSオッロのツーアタックなどで2-7とミラノが大きくリード。しかし中盤にコネリアーノがOHガビの連続エースなどで10-11とすると、さらにOHガビやMBキリケッラのスパイクなどで16-15と逆転する。更に終盤にはSヴォウォシュのサーブからOHガビのスパイクやミラノのアタックミスでコネリアーノが4連続ブレイクを決めて22-18とリードを広げる。そのまま最後はOPハークがスパイクを決めて25-20でこのセットをミラノが取る。

第3セット、序盤からOHガビのスパイクやミラノのアタックミスが続いて6-2とコネリアーノがリード。その後もアタックがなかなか決まらないミラノに対し、コネリアーノはOPハークとOHガビを中心に高い決定率で次々と得点を決めて17-9とリードを大きく広げる。終盤にミラノはMBダネージのスパイクやブロックで23-17とやや点差を縮めるも、最後はOPハークのスパイクが決まり25-18でこのセットも取ったコネリアーノが3-0で勝利した。

試合のスタッツはこちら

MVPは両チーム最多タイの19得点、アタック効果率48%と驚異的な得点能力を見せたOHガビ。高いジャンプからのパワフルなスパイクのほか、コートよく見て軟打を落とすなど止まらなかった。またサーブレシーブでは守備の苦手な対角のOHジュの分までコートカバーし、半数近くのサーブを受けつつ成功率64%と高い数字を記録した。

OHガビのスパイク

この試合はOHガビに限らず、コネリアーノ全体でアタック効果率が38%と高かった。この辺りは各アタッカーの能力の高さに加え、世界ナンバーワンと名高いSヴォウォシュのゲームメイクが功を奏した結果だろう。

S関は1セット目終盤にリリーフサーバーで出場したが、ブレイクに貢献することはできなかった。

S関のサーブ

ミラノは1、2セット目途中までは非常にいいバレーを見せていたが、どちらも終盤で集中力を切らしてしまった。そして3セット目は序盤からコネリアーノにリードを許した。チームの絶対的な得点源であるOPエゴヌのアタック効果率が上がらなかった他、アウトサイドヒッターのパフォーマンスが安定せず、選手交代をしても逆転の糸口を見つけられなかった。計11点のアタックミスはコネリアーノ相手には多すぎた。一方で3セットで9本のブロックポイントを上げており、第3戦はこの強みのブロックとサーブで女王を攻略したい。

L福留はスタメン出場を果たし、サーブレシーブ成功率60%など安定した活躍を見せた。しかし試合全体としてはそもそもサーブでもスパイクでもコネリアーノから意図的に避けられ、なかなか仕事をさせてもらえなかった。それでも相手の強烈なスパイクを拾った際にはDJからも吸引力が落ちない掃除機にちなんで「サトミ・ダイソン・フクドメ!」と紹介され、大きく会場を沸かせた。

ダイソン・フクドメ

しかしこのようにイタリアリーグの決勝を戦うそれぞれのチームに日本人選手がいるというのは本当に凄いことだなと、実際に会場に赴いて改めて感じた。今回が史上初めてのことで、男子でも女子でも次にいつこんな機会が訪れるのか、そもそもまたこんな機会が訪れることがあるのかというレベルの出来事だと思う。

残念ながら試合はコネリアーノの一方的な展開となったが、試合後には関、福留両選手は時間いっぱいまで話をしていた。すでにノヴァーラに所属していた石川真佑は一足先にシーズンを終えて日本に帰国しているので、イタリアに残っているのはこの二人だけだ。しかも両チームともイタリアリーグを終えても、まだトルコで開催される欧州チャンピオンズリーグファイナル4が残っているので、あと2週間シーズンが続くことは確定している。両者ともギリギリまでひとつでも多くここで成長していってほしいと思う。

先に3勝した方が優勝となる決勝はコネリアーノが2連勝中で、日本時間の今夜22日(火)27:30からの試合で勝てばその時点で優勝が決まる。今季ミラノはまだ一度もコネリアーノに勝てておらず、ここまでの2試合の試合内容を見ても圧倒的にコネリアーノが優勢だ。女王コネリアーノがそのまま優勝するのか、はたまたミラノがサプライズを起こせるのか、今夜の一戦に注目したい。

Photo: TOSHIKI, legavolleyfemminile.it

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