フランス男子バレーボールリーグ第5節、宮浦健人所属のパリは現地時間11月11日(土)にセーテと対戦し、3-2(22-25, 25-19, 25-18, 18-25, 15-11)で勝利しました。
宮浦健人はオポジットとしてスタメンで出場し20得点の活躍で、今季2度目のMVPを獲得しました。
第1セットスタメン
パリ
OH:コヴァチェヴィッチ(セルビア)、パヌ(フランス)
MB:マーセ(ドイツ)、ウェッター(アメリカ)
OP:宮浦(日本)
S:モッタパエス(フランス)
L:カプル(セルビア)
セーテ
OH:ゴンザレス(スペイン)、リパート(フランス)
MB:ガウナ(アルゼンチン)、クレーク(エストニア)
OP:カルディン(フランス)
S:ガルシア(フランス)
L:ドゥヴェーズ(フランス)
※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ
試合レポート
第1セット、序盤からMBクレークのサービスエースなどでセーテが2-6とリードします。パリもOP宮浦のスパイクなどで得点しますが、その後さらにMBガウナのブロックやOHゴンザレスのスパイクなどで12-18とセーテが点差を広げます。終盤にOP宮浦のサービスエースなどでパリが3連続得点を決めますが時すでに遅く、最後はそのサーブがミスになり22-25でこのセットをセーテが取ります。
第2セット、パリはMBユルコヴィックス(オーストリア)をスタートから起用します。そのMBユルコヴィックスのスパイクやOHコヴァチェヴィッチのサービスエースなどでパリが9-5とリードを広げます。その後MBガウナのスパイクやブロックで14-12とセーテが2点差まで詰め寄ります。しかしMBユルコヴィックスが終盤にブロックを3本決めて23-17とパリが再度リードを広げると、最後はOHパヌのアタックが決まり25-19でこのセットをパリが取ります。
第3セット、OP宮浦がスパイクとサービスエースで3連続得点を決めて4-1とパリが先行します。そこからさらにOHコヴァチェヴィッチのブロックやSモッタパエスのサービスエースなどで11-5とパリがリードを広げます。その後もパリの勢いは止まらずOHパヌのスパイクで17-11、MBユルコヴィックスのブロックで23-16と点差を広げたパリ。最後は粘りのレシーブから相手のアタックミスを誘ったパリが25-18でこのセットも取ります。
第4セット、序盤は競った展開になりますが、MBクレークのサービスエースやOPカルディンのスパイクで7-10とセーテが抜け出します。パリもMBマーセとOP宮浦のサービスエースでブレイクするも、セーテがOHゴンザレスのスパイクなどで連続得点を決めて15-23と大きくリードします。その後パリのMBマーセが2連続サービスエースを決めるも、最後はOHパヌのスパイクがミスになり18-25でこのセットをセーテが取ります。
第5セット、パリが出だしからMBユルコヴィックスのスパイクやOP宮浦のサービスエースでブレイクを奪い4-1と先行します。その後もMBマーセのスパイクなどで9-4、終盤にもMBユルコヴィックスのブロックなどでパリが連続得点を決めて13-7と大きくリードを広げます。そのまま最後はOP宮浦が力強いスパイクを決めて15-11でパリがこのセットを取ります。
この結果パリは3-2でセーテに勝利しました。
MVP:OP宮浦健人(20得点(うちサーブ4)、アタック効果率35.29%)
これでパリは通算成績3勝2敗8ポイントとして暫定6位になりました。
次は日本時間11月15日(水)4時00分から同1位のトゥールコアンと対戦します。
リーグHP: https://www.lnv.fr/lam/statistiques
配信サイト(有料):https://www.lnvtv.com/
月刊バレーボール最新号が半額以下で読める↓↓↓
トシキのつぶやき
フルセットでなんとか勝利!
そして宮浦健人がMVP!初戦に続いて2度目のMVPとなりました。
この試合の宮浦は、正セッターのモッタパエスが復帰したこともあり、のびのびとプレーできていたように見えました。パンチ力のあるスパイクでブロックやレシーブを吹っ飛ばすシーンも何度もありました。またサーブでも力強いサーブでエースを4本奪うなど宮浦らしさが出ていたように思います。こういうのを見たかったんですよね。やっぱり彼はサービスエースを取ってなんぼです。ただスパイクは被ブロック、サーブはミスも少なくはなかったのでこの辺りは今後修正していかなければいけないでしょう。
ただ個人的にこの試合で一番印象に残ったのはスパイクやサーブではなく彼のレシーブです。前に落ちてくるボールに飛び込んだり、味方がなんとか上げたボールを必死にカバーしたりと、この試合はディフェンス面での貢献がいつも以上に大きかったと思います。スパイクやサーブなど得点になるプレーでの活躍が目立ちますが、こうした数字に表れにくいところでの献身的なプレーにも心を揺さぶられるものがありますね。守備力ないし守備意識の高さは日本人選手の強みでもあると思うので、今後とも守備面もしっかりとアピールしていきたいところです。
個人的に宮浦とともにMVP級の活躍だったのがミドルブロッカーのユルコヴィックス。第1セットの嫌な流れを断ち切ったのは彼のブロックによるものが大きかったと思います。事実この試合はひとりで9本ものブロックを決めてブロックマシーンと化してました。スパイクの決定率も70%と高くミスもゼロ。結果ミドルブロッカーながら5セットで16得点をあげる大活躍でした。ちなみにユルコヴィックスは身長212cm。対角のMBマーセも214cmなので、この2人の対角になると超デカいです(笑)。
あと復帰したSモッタパエスは安心感がありました。試合が空いたからかコンビネーションのミスがあったものの強気のセッティングは相変わらずでよかったです。またこの試合はアタックで3点、サーブとブロックで1点ずつの計5点の活躍で、先輩フランス人セッターのブリザール(ピアチェンツァ(イタリア)所属)の系譜をしっかりと受け継いでいる感じが個人的にはアツかったです。
試合全体としてセーテの方がアタックは決まっていましたが、パリがそれを上回るサーブとブロックで勝ったような試合でした。特にパリはセッターがサーブを打ったあとのローテーション、いわゆるS1ローテでのサイドアウトにかなり苦しみました。次の試合でもこのローテーションでスムーズにサイドアウトを取り切れるかどうかがキーになるのではないかと思います。
次戦の相手は現在全勝中で暫定1位のトゥールコアンです。ここでどこまでやれるか楽しみです!
Photo: Paris Volley
月刊バレーボール最新号が半額以下で読める↓↓↓