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龍神NIPPON、アルゼンチンを3-2で破りフランス大会も全勝!未だ負けなしの8連勝で首位独走中!

2023年6月26日

ネーションズリーグ第2週5日目、バレーボール男子日本代表はアルゼンチンと対戦し3-2(25-18, 25-22, 31-33, 22-25, 15-12)で勝利しました。

第1セットスタメン

日本

OH:髙橋藍、石川
MB:小野寺、山内
OP:宮浦
S:関田
L:山本

ブラジル

OH:パロンスキー、ヴィセンティン
MB:ロセル、ゼルバ
OP:リマ
S:サンチェス
L:ダナニ

※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ

この試合のスタッツはこちら

試合レポート

第1セット、出だしはお互いにミドルで点を取り合い4-5と試合が進むと、そこからはOP宮浦とOH髙橋藍のふたりがサイドアウトとブレイクの両方で高い決定力をほこり16-12と日本がリードします。その後もOP宮浦のスパイクでさらに20-14とリードを広げると、最後はMBゼルバのサーブがミスになり25-18でこのセットを日本が取ります。

第2セット、MB山内のブロックやOH髙橋藍のツーアタックなどで5-3と日本が先行します。中盤にMBロセルのサービスエースやOHパロンスキーのスパイクなどで13-14とアルゼンチンに逆転を許しますが、終盤にOP宮浦のサーブからMB小野寺らが決めて3連続ブレイクで23-20と再逆転に成功。その後もOP宮浦が2本連続でスパイクを決めて25-21でこのセットも日本が取ります。

第3セット、序盤はOH髙橋藍とOP宮浦の連続ブロックで6-3と日本がリードします。しかしMBロセルのスパイクやサービスエースで10-11とアルゼンチンが逆転するとそこからは点差が広がらない競った展開になります。日本がOP宮浦とOH髙橋藍を中心にサイドアウトを取って行き、終盤で途中出場のMB髙橋健太郎にブロックポイントが飛び出して23-21と日本が抜け出します。しかし24-23の場面でOH石川のスパイクがミスになりデュースに突入すると、OHパロンスキーを中心に得点を重ねたアルゼンチンが食らいつき、最後はOP宮浦のスパイクがミスになって31-33でこのセットをアルゼンチンが取ります。

第4セット、序盤から日本がS関田のサービスエース、MB小野寺のブロック、OH髙橋藍のサービスエースなどで10-6とリードします。しかし3セット目から入ったMBラモンのブロックやOHパロンスキーのスパイク、さらに日本のアタックミスなどで15-15とアルゼンチンが同点に追いつくと、終盤にもMBラモンとOHパロンスキーの活躍で20-22と逆転に成功します。そのままOPリマのスパイク、そして最後はOP宮浦のサーブがミスになり22-25でこのセットをアルゼンチンが取ります。

第5セット、出だしからOH髙橋藍がスパイクを立て続けに決めて5-2と日本がリードします。アルゼンチンはOHパロンスキーを中心にサイドアウトを取りますが、日本がOH石川やOP宮浦のスパイクでブレイクを奪い13-9と点差を広げます。そして最後はOH髙橋藍の完璧なサーブレシーブからOH石川が決めきって15-12でこのセットも取った日本が3-2でアルゼンチンに勝利しました。

これで日本はVNL予選ラウンドの通算成績を8戦8勝22ポイントとし暫定1位をキープ。なおファイナルラウンドには開催国ポーランドを除く上位7チームが進むことができます。

次は日本時間7月4日(火)20:00から、舞台をフィリピンに移して中国と対戦します。

個人的MVP

日本:OH髙橋藍

32得点(うちサーブ1、ブロック2)、アタック効果率65%、サーブレシーブ成功率45%

文句なしのMVP。両チーム最多得点。得意のパイプ攻撃から難しいハイボールまでここぞという場面で幾度どなく得点をたたき出してくれました。アタックに関しては40本打ってアタック決定率72%という高すぎる決定力もさることながら失点がわずか3点という凄まじい安定感を誇っています。もちろん得意の守備面での貢献もすばらしく、サーブレシーブはチームいちの受数、ディグもリベロ山本に次ぐ9本。またサーブでは緩急をつけてショートサーブでエース。穴と思われがちなブロックでもこの試合は2得点と本当に試合を通してすべてにおいて高いパフォーマンスでチームを支えました。もう十分すぎるほどに「チームの軸」となっている髙橋藍。ただ今回も試合後にスタッツを本人に見せると「両チーム最多得点じゃないっすか!?!」と自分の数字に驚いていました(笑)。

次点:OP宮浦健人(28得点(ブロック1)、アタック効果率56%)

アルゼンチン:OHルチアーノ・パロンスキー

22得点(うちサーブ1)、アタック効果率58%、サーブレシーブ成功率59%

3セット目に逆転でセットを奪った立役者。前後関係なく高い決定力と安定したサーブレシーブでチームを支えました。今季から東京五輪銅メダルの立役者であるファクンド・コンテの7番を引き継ぎ、髭とピアスも彼へのリスペクトでつけているようですが、もうすでに彼を彷彿とさせる素晴らしいパフォーマンスでした。23歳とまだ若いので、今後もポストコンテとして、アルゼンチンのアウトサイドヒッターの中心としてチームを引っ張っていくこと間違いないでしょう。

感想など

龍神NIPPON無傷の8連勝!!!!

厳しくなるとわかっていたアルゼンチン戦。1、2セットをいい形で連取して「これストレートでいける」と思われた矢先に3セット目を先にマッチポイントを迎えながらも逆転で取られて「今日こそ連勝ストップか」と一瞬頭をよぎってしまいました。

しかし、あのブラジルとの死闘を経験した日本代表、5セット目はスタートから先行して見事にフルセット勝利。開幕から未だ無傷の8連勝でフランス大会も終えました。

その中でもやはり目立ったのはOH髙橋藍とOP宮浦健人。

宮浦はスロースターターだったブラジル戦とは違って出だしからフルスロットルでスパイクを決めまくります。1セット目だけでもひとりで8得点、アタック効果率77.78%でチームを大きく勢いづけました。3セット目の相手のセットポイントのところでの痛いミスはあったものの、試合を通して高い得点力でチームの勝利に大きく貢献しました。今回サーブでもブレイクを何度も取っていましたが、サービスエースこそなかったので、次はガンガンにエースを決める姿も見たいですね!とにかく堂々たるオポジットでした。

また髙橋藍のすごすぎる活躍は上述のとおりです(笑)。

このようにキャプテン石川が点取り屋にならなくても強豪相手に勝てるというのは本当に強いチームになったひとつの証明なのかなと思います。

また日本は両ミドルブロッカーの貢献も大きかった。ブラジル戦はクイックをことごとく防がれていて、今回も相手にはロセルという世界最高峰のミドルブロッカーがいたわけですが、小野寺はアタックで8得点、効果率80%と決定率が高かったですし、山内も高いスパイクの決定率に加えてブロックでも多くのタッチを取って日本のトランジッションアタックに貢献していました。レベルの高いアルゼンチンミドルブロッカーと比べても引けを取らない活躍だったと思います。

さらにアルゼンチンのセッターサンチェスは173cmと日本の関田よりも低い身長で、そのため戦術としてアウトサイドヒッターの選手とブロック位置を入れ替える、いわゆる「スイッチ」をやっていました。これは日本もセッターの関田が前衛のときによくやる戦術なので、お互いにブロックスイッチによる駆け引きというのも面白かったです。スイッチしたときにはコート内からだけでなくベンチからも「スイッチした!」という声が聞こえて関田がその逆にセットするなどベンチも一緒に戦っていました。

また両リベロ、山本とダナニのディグ合戦とか、石川とロセル、また宮浦とゼルバのチームメイト対決とか見どころがいっぱいだったこの試合。

同じフルセットでも見ている側も緊張してかなりのエネルギーを消費したブラジル戦とは違い、このアルゼンチン戦はかなり楽しく見ることができたなという印象です。

今回は勝ちましたけど、アルゼンチンも今大会かなり完成度が高いチームなのでもしまたポーランドで行われるファイナルで当たったときにはどうなるか分かりませんね。しかし日本やアルゼンチンのような、いわゆる高さとパワーではないディフェンスや組織力のチームが今大会上位にいるのは偶然ではないでしょう。こういうチームこそ強いというのが結果として現れているんだと思います。

日本は8戦全勝ですが、まだファイナル進出が決まったわけではありません。それでも僕独自の計算だとあと1勝すれば確実となるのでもうほぼほぼ確定といってよいでしょう。

一方で今回のホストだったフランスは東京五輪金メダルメンバーのほとんどを招集して挑んだフランス大会を2勝2敗と苦しい結果で終えてしまい、ファイナル進出が危うくなってきました。ただ逆にファイナル進出となれば低い順位での進出となるため、また初戦で日本と当たる可能性が高いですね…。しかもファイナルからはキーマンのエンガペが合流するとのうわさがあるので厳しい戦いになるでしょう。

まあ、どの国の順位がどうなるとかコントロールできないことを考えてもしょうがないので、とにかく1週間コンディションを整えてまたフィリピン大会に全力で挑んでほしいと思います!ただ中国戦とかは戦力をちょっと落としてもいけそうな気がするのでここまで出場機会が少ない選手たちの活躍も見てみたい気がします。

とにかく、このフランス大会を現地で観戦・取材をして、今の日本の強さを改めて確認することができて本当によかったです!!

次の取材はポーランドでのファイナル!!表彰台に立つ龍神NIPPONの姿をばっちりとお届けしたいと思います!!!!

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Photo: FIVB

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