欧州バレーボール連盟チャンピオンズリーグバレー2021(以下CL)の男子決勝が、5月1日にイタリアのヴェローナにて開催され、ポーランドのザクサ・ケンジェジン=コジレ(以下ザクサ)がイタリアのトレンティーノ・バレー(以下トレント)を3-1(25-22, 25-22, 20-25, 28-26)で下し、チームとしては初、ポーランドのクラブとしては43年ぶりの快挙を達成した。
ザクサのここまでの道のりは正直に申し上げるとかなり険しいものだったと思う。予選リーグこそ危なげなく1位で通過したものの、準々決勝で前回王者ルーベ・チヴィタノーヴァ(イタリア)、準決勝では2015年から大会4連覇を果たしたゼニト・カザン(ロシア)を、どちらも1勝1敗からのゴールデンセットをタイブレークの末つかみ取り、なんとか決勝までやってきた。
決勝戦の相手であったトレントも、過去3度のCL優勝を誇る強豪で、リーグ開始時の下馬評やメンバーを見てみると間違いなく相手の方が格上であっただろうが、近年の欧州チャンピオンを2度もねじ伏せジャイアントキリングを果たしていたザクサの選手たちには絶対的な自信を持っているように見えた。
実際、試合中も特に各セットの序盤はトレントにリードされる展開が多かったが、常に動ずることなく果敢に食らいついた。最終第4セットもデュースまでもつれる大接戦となったが、最後まで集中力を切らさず、最終的にはカチュマレクのレシーバーの間を切り裂くサービスエースが突き刺さりゲームセット。ポーランドへ約半世紀ぶりに欧州チャンピオンのカップを持ち帰った。
ザクサのスタメンは7人中5人がポーランド人選手で、5人とも今年のポーランド代表に名を連ねてはいるが、リベロのザトルスキを除き、今回MVPであったシリフカを含めて代表で安定してスタメンを張る選手はいない。ポーランドバレーの選手層の厚さは本当に末恐ろしい。今年のザクサについてはまた改めて記事を書きたいと思っている。とにかく、おめでとう!そして、こんな社会情勢のなかでもワクワクを届けてくれてありがとう!!Dziękujemy!!!